トレーダー分岐点

新刊本や新作映画、アニメの感想などを書き続けるサイト|トレーダー分岐点

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今年「トレーダー分岐点」で反響の大きかった記事10選とその分析

      2016/01/02

本サイト「トレーダー分岐点」を始めて1年半ぐらいになりますが、今年の6月ごろからようやく記事の書き方が掴めるようになってきました。病気で外に出歩けなくなり、自分の特性を考える時間が増えた結果、ソーシャル上で大きく拡散されることを考えずに「学級新聞」のような感じでサイト運営をしていこうと決心したのが大きかったと思います。

サイトの構築が上手い人は、記事の質やジャンルを絞ってPV数を右肩上がりに運営していくものです。

しかし「トレーダー分岐点」はいつまでたっても乱高下(笑)

社会に訴えたい熱量ある記事も書けず、引きこもっているのでネット界隈で話題になりやすいライフハック系の記事も書けません。単純に今は誰も見なくても、いつか「実写版『ブギーポップは笑わない』を見て感動した人と友達になりたい」のような記事をだれか読んでくれたら最高だな、みたいな感じで書いてます。

ただし、それでもPVのためにいくつかは「当てにいってる」記事もあり、今回は2015年に書いた文章の中からそんな記事をピックアップして書いたときの状況やヒットした理由を自分なりにまとめてみました。

ひつじ

2015年反響の大きかった記事10選

【映画感想】『映画クレヨンしんちゃん オラの引越し物語~サボテン大襲撃』

【映画感想】『映画クレヨンしんちゃん オラの引越し物語~サボテン大襲撃』は良質なパニックムービー!! | トレーダー分岐点

 

映画感想の記事をウェブで書くときに何が重要かと考えると記事の数、切り口、分量、クォリティ、スピードって感じで分けられると思います。スピード勝負だと新作を毎日見に行ってる人には勝てませんし、論考だったら「はてな」のほうが拡散していくのでバランスをどこに置くのかは人によって異なります。

この記事はここ最近連続で「クレヨンしんちゃん」の映画が面白かったため新作公開日に友人と見に行って、終わった後喫茶店で「あーだ」「こーだ」喋った記事を読みやすくしたもの。作中に出てくる「サボテン」の意味するところを推理している感じが受けたのか「サボテン 原発」「サボテン 兵器」などの物騒なキーワードでたどりつく人が多かったです。

映画 クレヨンしんちゃん オラの引越し物語 サボテン大襲撃 [DVD]
映画 クレヨンしんちゃん オラの引越し物語 サボテン大襲撃 [DVD]

他にこのサイトで読まれた映画評に『キングスマン』のコリン・ファースのスーツが素晴らしかった話やキアヌ・リーヴスが久しぶり主演した『ジョン・ウィック』の感想が読まれていました。

公開前からみんな見に行くであろうことが判明している映画よりも、徐々に口コミで広がる映画のほうが検索に表示されやすくなり、小さいサイトにおいては読まれる傾向が強いかも。

 

【書評】『私の体がワイセツ?!女のそこだけなぜタブー』(ろくでなし子、筑摩書房)

女性器サラリと言えますか?『私の体がワイセツ?!女のそこだけなぜタブー』(ろくでなし子、筑摩書房)感想 | トレーダー分岐点

 

書評も個人サイトではあまりPV数が伸びないジャンルだと思います。そもそも本が読まれない&社会的属性がある人ならともかく、どこかの知らない誰かが書いた書評はよっぽどのことがない限り記事の中までは見ないからです。

なので自分としては映画感想を読んだ人がついでに書評もクリックしてくれれば的な感じでサイトのジャンルを統一せず、出来るだけ面白く煽らない記事を増やすことに主眼を置いてます。

この記事はグーグルの機嫌を損ねて広告配信停止という罰をくらう可能性もありましたが(思い切ったことが出来るようで出来ないウェブ)過酷な環境をユーモアで乗り切っていく著者の態度に共感したので取り上げました。賛成、反対の前にまずしっかり主張を知ること、男性器を「ち ん こ」と言えるのに「女性器」は「女性器」と書かなければいけない阿呆らしさを出し、面白がりつつも真面目に書いて、著者のろくでなし子さんがtwitterで紹介してくれたため一気にPVが伸びました。

私の体がワイセツ?!: 女のそこだけなぜタブー (単行本)
私の体がワイセツ?!: 女のそこだけなぜタブー (単行本)

 

【まとめ】アンパンマン映画について

大人も絶対楽しめる!オススメのアンパンマン映画BEST5 | トレーダー分岐点

 

 

病気になった時、医者から集中力を使って作業するのは駄目と言われ、映画や本を読むことは控えるようにと言われていたのですが、集中力を使わない子供向けだったら良いだろうと曲解して生まれた記事。

コナンやドラえもんのBESTならやっている人も多いかもしれないけれどアンパンマンのBESTを書いている人はそんなにいないだろうというハッタリではじめ、書いた後の拡散の激しさにキャラクターものの底知れぬ強さを感じました。作品単体のレビューだと旬が過ぎるとそのあとパッタリ読まれなくなりますが、ロングセラーのまとめは読まれ続けるんだなあと。

集中力を使わずに見ていくつもりが、いつの間にか作品のファンになってしまい、より集中力を使って見ていって体調が悪化したのも今は良い思い出。思わぬ副産物として親御さんが見てくれてるのかDVDを買ってくれる人が多数おります。ありがたい。

 

【講演会】「映画批評をめぐる冒険シリーズ」からの派生

淀川長治、荻昌弘、水野晴郎・・・テレビに映画解説者がいた時代、そのまとめ | トレーダー分岐点

 

上半期に参加していた「映画批評をめぐる冒険」という講演会をもとにうまれた記事。

その講演会は映画批評の歴史や映画本について教えてくれる素晴らしいものだったので、勉強がてら全三回の内容をまとめることに。

講演会をまとめる事に関しては文脈を離れた言葉が広がってしまう問題点もあり、非公式のため書いたあと指摘があったら適宜修正するなど多くのことを学ばさせてもらいました。

講演会が終わった後も、当時の雑誌や書籍などを読み、素人ながらテレビで映画解説をしていた人の系譜について書いたら編集者の佐野亨さんがtwitterで紹介してくれました。「はてな」を介して一気にPVが増え、改めてもうみんなが知っている情報をふたたび書くことには需要があるのだと知って嬉しかったです。あれとこれが抜けているなど色々な批判もありましたが、それらも含めて当時を知っている人の話は貴重で面白かった。

 

【最新作に備えての映画あらすじまとめ】『ジュラシック・パーク』シリーズなど

最新作『ジュラシック・ワールド』(ジュラシック・パーク4)を見る前のシリーズあらすじまとめ | トレーダー分岐点

 

初めてお酒代を稼げた記事。

今年は映画の続編が何作も公開されたので、『007』や『マッドマックス』の過去作などを1から紹介する記事を多く書きました。なかでも「ジュラシック・パーク」シリーズのあらすじまとめは新作『ジュラシック・ワールド』が今年日本で一番売れたこと、地上波で放送されたこと、わざわざ2と3を見たくないといった感情からまとめ系記事の中で一番読まれました。

他にも『ジュラシック・ワールド』は、1のオマージュが多数あるのがすぐわかる作品構造だったことも影響していると思います。

けれど、こういう魔法は「2015年」という洋画大作続編一挙公開という歴史的な年だったから通用したので、来年以降はあまりやりません。とにかく疲れるんですわ(笑)

【タイトル勝ち】笑霊降臨!!『狩野英孝の行くと死ぬかもしれない肝試し』

笑霊降臨!!『狩野英孝の行くと死ぬかもしれない肝試し』が面白すぎて | トレーダー分岐点

 

おそらく「トレーダー分岐点」で年間一番読まれた記事だと思います。

情報を仕入れるために自分がよく目を通しているのは「映画ドットコム」の近日公開情報、「シネマトゥデイ」の予告編、TSUTAYAレンタル開始日、近日刊行される本をまとめた「近刊検索」、雑誌「TV Bros」、twitter「オスカーノユクエ」、「Rotten tomatoes」「IMDB」などがありますが、

この「狩野英孝の行くと死ぬかもしれない肝試し」当時情報が全くない&DVD未発売でレンタルのみという謎さに魅了されました

とにかくタイトルに一本釣り、TSUTAYAでDVDを取り寄せ、実にやらせくさい撮影でも狩野英康が頑張って盛り上げていく天然さに感動したので一気に書き上げました。おそらく似たように気になった人がシェアしてくれた結果、いまではおそろしいときは「狩野英康」と検索してもたまに上位にくる記事に。

世の中、何が流行るのか本当にわからない。

 

【最新映画+ひねり企画】「スターウォーズ絵本」または「クレヨン・ウォーズ」

スターウォーズ最新作の前にスターウォーズ絵本で優しい気持ちに包まれる | トレーダー分岐点

 

 

ダース・ヴェイダー絵本シリーズ(3冊セット)
ダース・ヴェイダー絵本シリーズ(3冊セット)

『スターウォーズ』の記事が年末に読まれ出るであろう予測は立てていたのですが、ただあらすじをまとめていく作業は面倒くさく(なおかつ恐ろしいファンが多数いるため間違えたくないw)、みんな見る映画はレッドオーシャンでもあるので、そういえば昔絵本があったなと書いたあとに、そういえば昔「クレヨンしんちゃん」のなかで「スター・ウォーズ」のひどすぎるパロディがあったような、と続けて書いた記事。

そういう自分のような体験を持つ人は多かったみたいで「しんちゃん スターウォーズ」「しんちゃん ダースベーダー 股間」という素晴らしすぎるワードでこのサイトにたどりつく人多数、よく読まれています。

ビッグワードすぎる映画は、なにかをプラスして書くような感じを来年も継続していきたい。

 

【永続系】『頭がよくなる 青ペン書きなぐり勉強法』(相川 秀希・KADOKAWA/中経出版)について

【書評】青ペン効果。信じるか信じないかは・・・『頭がよくなる 青ペン書きなぐり勉強法』(相川 秀希・KADOKAWA/中経出版) | トレーダー分岐点

 

頭がよくなる 青ペン書きなぐり勉強法
頭がよくなる 青ペン書きなぐり勉強法

「青ペンで勉強すると頭がよくなる」

大手経済サイトとか大手書評サイトが真面目に取り上げていて、本当かよと元ネタになった本を読んで書いた記事。

自分が学生時代に叩き込まれた青ペンなるものに対する疑義もすべてを青字で書くという嫌がらせをしてみました。

青ペンで勉強すれば効果あるのか!?、という受験都市伝説が続く限り読まれるはず。流行らせたい人にとっては実に迷惑な記事だと思います。

 

【努力系】『映画大好き人間が選ぶネットフリックスのおすすめ作品【part1】』

映画大好き人間が選ぶネットフリックスのおすすめ作品【part1】 | トレーダー分岐点

 

タイトルが微妙だったと今なら思うけれど、当時は早く仕上げなければという興奮でそれどころではなかった「ネットフリックス」にあるオススメ作品を書いた記事。サービスが始まって3日間ぐらいで15本ぐらい評価の高いものを見て、自分が知っている作品15本とあわせた30本の中から10本に絞ってレビューを書く、おそらく2015年で一番集中しました。

似たようなことをアマゾンプライムビデオでも試みようとしたのですが、出遅れると既にそこまで伸びないことがわかっているときはこんな無茶な書き方をするモチベーションがありませんでした。

そしてネットフリックスは個人のレビューよりも、膨大なタグによるおすすめに定評があり、日々その凄さを実感しているのでおそらくpart1で打ち切りだと思います。

 

【サービス系】「で、動画配信サービスって結局どれがいいの?完全主観で比較したまとめ」

で、動画配信サービスって結局どれがいいの?完全主観で比較したまとめ | トレーダー分岐点

 

半年間様々な動画配信サービスを利用しての個人的な心情での比較記事。

広告の関係で動画配信に関しては無駄褒めが横行しているので書きました。新しく始まったサービスに関してすぐにレビューを書くのも良いと思いますが、「3ヶ月使って実感した郵便局のサービス「クリックポスト」の圧倒的使いやすさ」のように3センチギリギリまで商品を詰めた場合に郵便物は届くのかといった、サービスを実際に使ってみんなが悩むであろうことを書いた記事は今でも読まれています。

単純に褒めるよりもそういうサービスを使っていった疑問&正直な記事のほうが結局は長生きするのではないかななんて考えをあらためつつあります。

 

終わりに。

今回の記事は自分の周りがもっとサイトを始めてほしいなという思いと共に書きました。

あまり自分には社会的属性もなく「いいね」してくれる友人の数もそんなにいるわけではないので記事単体としてなぜ上がったのかがわかりやすいと思います。これから記事を書く人のネタにでもなれば幸いです。

 

2015年「トレーダー分岐点」で文章を書いていたとき一番役に立った本。

 

【関連記事】

 - まとめ

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