衝撃の全員馬鹿ノート!ネットフリックス版「デスノート」感想
2017年ネットフリックスオリジナルで、デスノートが配信された。
監督は『サプライズ』や『ザ・ゲスト』などで着実にファンを増やしつつあるホラー監督のアダム・ウィンガード。怪獣総進撃の趣もある「Godzillavs.Kong(ゴジラVSキングコング)」の監督を務めることも決定している。
ネットフリックス版デスノートの前評判は高かった。
TOHOシネマズの予告編でも流れて、Twitterを見る限り本作目当てにネットフリックスに入会した人も多い模様。
さて、その感想は
(;゚Д゚)唖然である。
Contents
ネットフリックス版デスノートあらすじ
おっす、おれライト。母親が犯罪者に殺されたのに無罪放免。世の中おかしい、やさぐれ中。学校の奴らの宿題代行して日々の鬱憤を晴らしていたら、空から変なノートが降ってきた。
なんだこりゃ?デスノート……?
いろいろルールあって難しいけど、可愛い彼女も出来て、応援してくれるから、とりあえず世のために悪いやつを成敗!
衝撃発言「ルールが多すぎる」
そもそも上映時間が短いあたりになにかしらの予感はあった。
ライトが画面に出てきた瞬間のいけてない感じで、こちらのテンションは上がる。

ネットフリックス「デスノート」より引用
「このデスノート何かやらかしてくれる……!」
そう思いながら画面を見ると、宿題代行がばれて怒られるライトの姿がある。
空からデスノートが落ちてきて、リュークの言われるがまま、学校中の嫌われ者であるいじめっ子の名前を書いたら、首チョンパとなって普通に驚くライトの姿がある。
本当の力を得たと確信したライトは、家に帰りデスノートを開き、
そして、衝撃の言葉を口にする。
「ルールが多すぎる」
ポテトチップスは出てこない。だから我々が食べる
あれ、ちょっと、このライト?
次の日、同級生の気になる女の子ミアに
デスノートのことを教えてあげよう。とすぐに見せびらかす。
ノータイム秘密暴露!!
あっ、なるほど、この子馬鹿だ!!!
もうこれはライト君と呼ばせていただくことにする。ライト君は、張り込みの捜査官も悪人じゃないから殺したくないというほど実にピュア。ミアとのSEXシーンも「どうすれば?」と口に出しちゃう童貞感がすばらしい。
原作にあった家の中の監視カメラや、それをかいくぐってポテトチップスを食べたふりをしながらデスノートを書く息詰まる心理戦はまったくありませぬ。
つまり、このデスノートは、映画を見ているこちら側がコーラ片手にポテトチップスを食べつつ見る類の作品だったのだ。

衝撃の全員馬鹿ノート
さて、ライト君に対して探偵のLである。初登場時からパーカーをかぶって鋭き眼光。

ネットフリックス「デスノート」より引用
Lは、捜査官であるライト君の父親を囮にし、彼が殺されなかったのを見てあっさりとライト君の正体を見抜いてしまう。
「能力は渡せるんですね」
「取引を申し出るのは優位に立っている側です」
とライト君をどんどん追い詰めていく。
しかし、中盤から様子がおかしくなる。
ライト君の行動を完全に読み違えて、サポート役であるワタリを失ってしまう。
「ワタリを無事返すなら取引を申し出てもよい」とまでライト君に譲歩したのに、彼を失ってしまい「徹底的に家の中を捜索してください!」と激昂する始末。
ライト君が、無実のものを殺さないと思って、何の対策もしなかった無能振りが際立つ。
結局捜査で何の証拠も出ず、任務を解かれてしまうが、執念で盗んだパトカーでライトを追う(叫びながら)。このシーンは腹を抱えて笑った。衝撃の結末も含めて。
ただし、ラストの展開は震える(ネタばれあり)
さて再びライト君。
Lには、父親を殺さなかったことを「君にその分別があってよかった」と言われ、
「俺は彼女(ミア)を気に入っている」とリュークには呆れられ、
そして最後に当のミアには、「ノートは私が持つべきよ。臆病なあなたに神は無理よ」と「ライト・ターナー真夜中に心停止」とデスノートに書かれる始末。
しかし、実はライトはそこまで読みきっていたという展開にはなかなか震えるものがある。
ライトは最後にもう一度「ルールが多すぎる」と言う。だが、ここで悲しそうにライトのつぶやく言葉は、ルールが多すぎるが、
使えない訳じゃない。ということでもある。
本当はやりたくなかったのに、まわりのせいで覚醒した感覚。いや、むしろ周りが煽ったからこそ、悲しい才能が芽を出してしまったのかもしれない。そう考えると実に悲しい。
このデスノートは、だから見方を変えると、心根の優しいやつが本気出したらヤバいジャンル作品の系譜に連なる。
こんな風にアダム・ウィンガード監督の作品は、頭の認識を切り替えることが出来れば、彼の作り出す独特のモードに入り込んでハマれるのだ。
ただし、ウィンガードは自身の監督したデスノートを、
「アクション、スリラー、ノワールとさまざまな要素が詰め込まれていて、ジャンルのマッシュアップができると思った」と理由を説明する。続けて「ハリウッドで大きな予算をかけて作品を作れるということで、誰も観たことのない作品にできると思った」と述懐した。(2017年8月24日ジャパンプレミアでの発言)
このように大真面目に語っている。その姿を見ると、ネットフリックス版デスノートは、自分がデスノートに思い入れがまったくないから、ウハウハ面白く見ることが出来たのだとつくづく思う。
だから、ゴジラとキングコングを戦わせる映画の監督なのよねと考えると、
やはり不安は尽きないのがアダム・ウィンガードという監督なのである。
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