ボンクラ2人が見る映画『ガーディアンズ伝説の勇者たち』評
2015/12/02
あらすじ
一人の少年が凍った湖の上で目覚めるところから物語は始まる。彼は自分が何者なのか、そしてなぜここにいるのか何も覚えていなかった。
わかっているのは自分には氷の力があること、そして「ジャック・フロスト」という自身の名前だけだった。彼は話を聞くため近くの村へ向かうが、そこで事態を知る。村人の誰も彼の姿を見ることが出来ず、声が届かないことに。そう、彼は人間の目には見えぬ存在になったのだ・・・。
それから300年の月日が経過した。妖精になって以来自由気ままに暮らすジャック・フロストは、あるとき世界を守る妖精の集団である「ガーディアンズ」に呼び出される。
「悪夢をもたらす精霊ブギーマンが復活した」、リーダーであるサンタクロースは続けてジャック・フロストに告げる。「世界を守るために一緒に戦ってほしい」と。
まずは、感想
ゴールデングローブ賞ノミネート作でありながら、本国アメリカでは大人向けに作りすぎたため興行収入が微妙だったという話。
なにやら大好物そう・・・!
が、日本では劇場未公開という事態に(最近多いのですよ)
悲しい思いを抱き、悲しい思いを忘れある日TSUTAYAの棚を見ていると当たり前のようにアニメコーナーで発見。
ということで友人と酒を飲みながら見た。
一言感想:いろんな意味でもったいない。
ネタバレ含むあらすじ続き
\ジャックフロストが記憶喪失で目をさます→それから300年後、悪の妖精が復活→月のお告げでガーディアンたちはジャックフロストを仲間にすることに決定→しかしジャックフロストはここ300年の間、人間に見えないのを良いことに使命も責任も関係なく遊びほうけており他のガーディアンから嫌われていた。
→リーダーであるサンタクロースは彼にも何らかの使命があるはずだと仲間に加える。
ここまでがだいたい中盤までの展開。
他のガーディアンは有名で輝いていて使命があるのに対し、ジャックフロストは記憶が不確かゆえに何をしていいのかわからない不安定さを抱えているという、こうしたテーマ(使命云々)がわかりづらいというのがこの映画の難点。
そこを掘り下げずに急に悪の精霊が襲って来てストーリーが進むもんだから見ている側は戸惑う。300年後に意味はあったのか疑問だらけのまま。
続いて中盤から終盤まで
恐怖によって自分を信じさせるため妖精の季節イベントを邪魔する悪霊ブギーマン→季節ごとの楽しいイベントが発生しないため子供たちが暗くなる→妖精を信じなくなる→妖精のパワーがなくなる→しかし、ジャック・フロストはそもそも人々に見られてないので関係ない!
→そこでブギーマンは「記憶」と交換に仲間になってくれと切実に願う(個人的にはこの映画で一番の泣き所)
→ジャックフロストは断るが、仲間たちから取引に応じたと誤解されてしまう。
→一人になり、記憶の箱を開け自身が人間であった頃の記憶を思い出す(氷の上で妹を助け亡くなった)
→ブギーマンの猛威は続き、ついに全世界で妖精を信じているのは一人だけという状況に
→ジャックフロストはその子供のもとに行き、ついに名前を呼んでもらえる。
→一緒に遊び、子供たちが増えていく。恐怖なんて怖くない!→最後はみんなでブギーマンを倒す。万々歳!
ボンクラ対談開始
俺&友人「ちょっと待て!」
俺&友人「また勧善懲悪かよ!」
(以下男二人のボンクラ対話)
俺「いや・・・ブギーマンがかわいそすぎるだろう・・・」
友人「あの断られた時の悲しそうな顔見たか?」
俺「ラプンツェルの魔女を思い出したよ。」
友人「ピクサーでもディズニーでもドリームワークスでもいいけれど、この悪役に対しての容赦のなさというのは何なの?」
俺「記憶云々に意味がないよね。序盤で月がさっさと説明すれば、こんな面倒くさいことにならなかった」
友人「全体的に面白くするとことあるのに、もったいない」
俺「よし、俺らでもっと面白いの作ろう」
ここでどうしたら物語が良くなるかの深夜三時のボンクラ談義(そろそろ二十代後半の男二人)
俺「記憶喪失に積極的な物語的な意味が見いだせないから、こうしよう。ジャックフロストと最初は名前を伏せておいて記憶を取り戻した時に「この小僧何者?」→実は・・・「I’m Jack Frost!!」で氷がぶわああーーーーって感じの方が説得力出ない?」
友人「よくある感じだな」
俺「でもこっちのほうが記憶喪失が生きるよ。だって↓こいつのせいでジャックフロストめっちゃ有名じゃん」
友人「それだったら他の仲間にも妖精になったときの状況説明必要かも。せっかく設定資料集でサンタクロースはロシア人をイメージしてるって言ってるんだから。もとは軍隊出身で、死ぬ前にプレゼントを渡せなかったとかだな」
俺「じゃあギミックとかも欲しいよね、たとえばサンタの刺青、せっかく良い子と悪い子って刺青があったのに使ってないから。敵を倒すときに答えさせてからその腕で殴るとかね」
友人「それにしてもバニーも地味だよなあ、俺らが文脈知らないだけなのかな、イースターバニーとか。だって声ヒュー・ジャックマンよ。ウルヴァリンじゃん。物凄い異常な強さなんだけど、力が弱くなったときにジャックフロストの無視される気持ちがわかるとかにして…爪つけて戦わせる(笑)」
だんだんと空が明けていく。
友人「あとやっぱり敵の倒し方だな」
俺「な。せっかく後半良いシーンがあるのにね。ブギーマンの誰にでも無視されてることの怖さを知っているのはジャックフロストな訳じゃん?」
友人「当たり前に倒しすぎだよね、でも妖精それぞれに使命があるっていうのは良いよ。この設定」
俺「そうそう子供たちが僕たちがガーディアンのガーディアンってところ、俺かなりの涙量よ、ウルトラマンティガの最終回思い出した」
友人「僕たちがティガだ!ね」
俺「結局ジャックフロストの核は「楽しい」ってことでしょ。だからさ、悪は倒すことは出来ないけど。笑い飛ばすことは出来るっていう解決はどう?」
友人「いいね!それ採用!また遊んでやるからいつでも来い!みたいなね」
俺「それでブギーマンも笑ってにやりと封印されるの」
友人「あと展開がぶつ切りだからスムーズにはいる必要がある。俺だったら「むかしむかし」で暗黒時代の説明があって光があらわれて過去の話になりましたっていう構造を導入するよ」
俺「むかしむかし~はやっぱり強いな。」
友人「それにしても、世界中の子供たちがみんな妖精を信じなくなってる中で唯一、信じ続けるっていいね」
俺「最高のボンクラだよ」
友人「俺らもそうなりてなあ・・・」
俺「なあ・・・」
友人「そんな子供を信じる映画が子供たちに見られず未公開映画となったわけか・・・」
俺「そうだなあ・・・つらくなってきたな・・・寝るか・・・」
友人「そうだなあ。もう寝よう」
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