【映画感想】『映画クレヨンしんちゃん オラの引越し物語~サボテン大襲撃』は良質なパニックムービー!!
2016/07/29
(後半にネタバレ含んだボンクラ達の対談です。ネタバレ箇所はわかるようにしています)
俺(´•౪•`)「クレヨンしんちゃんの映画で何が一番好き?」
友人I(・д・。)「唐突やね。んー、難しい。笑いで言ったら『ヘンダーランドの大冒険』、でも改めてクレヨンしんちゃんの映画は凄いと思ったのが『アッパレ戦国大合戦』って感じかな」
俺(´•౪•`)「俺は初期三部作の訳わからなさが好きで、VHSで擦り切れるほど見たから『雲国斎の野望』、でもさ、各作品で全然ジャンルが違うから一番選ぶのって難しいよね」
友人I(・д・。)「確かに。それでいくなら今回のこの映画はめちゃくちゃ驚いた」
俺(´•౪•`)「驚いた。過去作のどの作品とも毛並みが違って・・・」
友人I(・д・。)「まさか、こんな上質なパニックムービーが見られるとは思ってもみなかったからね」
Contents
~あらすじ~
俺(´•౪•`)「えっとストーリーをざっとおさらいすると、今回の映画はシリーズで初めて野原家が春日部から引っ越すという点が画期的」
友人I(・д・。)「ひろしの昇進&転勤が決まって、慣れ親しんだ春日部の地に別れを告げることになって、ひろしの顔が死んでて(笑)、全体的に最初は画面が暗い。子供たちの進路考えたりでみさえと口論になったり、子ども連れで見に来たパパには辛い映画だ」
俺(´•౪•`)「一人でメキシコの奥地「マダクエルヨバカ」まで行って新種のサボテンから出る蜜を取ってこいと(笑)」
友人I(・д・。)「双葉商事けっこう無茶言う、でも商社だからこんなもんか。ユニコーンの『大迷惑』みたい」
俺(´•౪•`)「最終的に野原一家全員でメキシコに行くので万歳。けれど、その目的のサボテンにはある秘密があって…「あそこまで」描いたことに俺はとにかく驚きだよ」
~短編+長編のような構成~
友人I(・д・。)「開始15分で泣くとは思わなかった」
俺(´•౪•`)「いや、あんたよく泣くじゃん・・・と言いたいが、俺もボロ泣きした(笑)、物語の始まりがふっと当たり前の日常から始まって、それが丁寧に描かれた後に『クレヨンしんちゃん』という物語の根幹を揺るがす春日部からの引っ越しに移るから凄い何かが終わる感覚が強かった」
友人I(・д・。)「子供のころから見てる人ほど衝撃を受けると思う。荷物を送った後の何もなくなった野原家の様子が最終回見てるようで、「こんなに広かったのね」というみさえの台詞が、また…。」
俺(´•౪•`)「で、風間君がね…」
友人I(・д・。)「泣くわ、あんなのズルいよ」
俺(´•౪•`)「それで、えっ?今回こういう映画なのって思ったら、いきなりモードが変わってのサボテン襲撃(笑)」
友人I(・д・。)「豪華。凄い泣かせる短編のあとに良質のパニックムービーが我々の目の前に現れたわけだ」
(『日曜洋画劇場』&『木曜洋画劇場』で放送された映画を思い起こさせるストーリー)
俺(´•౪•`)「最初のサボテンが動き出すところで劇場から「えっ」て声が聞こえた(笑)」
友人I(・д・。)「タイミングが神がかってる」
俺(´•౪•`)「見事なほど映画『トレマーズ』だよねえ、他にも俺らが大好きな『木曜洋画劇場』で放送されたようなB級パニック映画の記憶が作品に流れてたわ」
友人I(・д・。)「サボテンから逃げてPUBに隠れたら主要人物が揃ってるとかな(笑)閉鎖状況のなかで生き残る方法を模索するというパニックムービーの定番。クレヨンしんちゃんでこれをやってこんなに面白いとは」
俺(´•౪•`)「そこら辺の描写が絶対助かるに決まっている「クレヨンしんちゃん」だってことを忘れさせてくれるから最後まで気が抜けないんだよ。子供トラウマになるの間違いなし!素晴らしい!日本全国の家族の皆様は是非子供を連れて見に行ってください、お願いします!」
~癖の強いキャラたち~
俺(´•౪•`)「全編音楽が良くて家で酒飲みながら大音量で聞きたい気持ちになった。特にロドリゲスの『エル・マリアッチ』に影響受けたと思われるマリアッチ(無職のお兄さん、声優:浪川大輔)の歌『愛して、アミーゴ』がめちゃくちゃアガる」
友人I(・д・。)「他の登場人物も劇場版のなかでも歴代屈指に好きなキャラかも。坂本真綾演じる「カロリーナ先生」も良かったけど、AKBの指原の声優が当たり役。「スマホちゃん」最高だった。あと、」
俺(´•౪•`)「あれね、」
友人I(・д・。)「ルチャ・リブレのレインボー仮面。好きだわー『キックハート』思い出した」
俺(´•౪•`)「あー、確かに。そういう人たちと野原一家との関係性が徐々に密接になって、結末に向けてキャラがどんどん輝いていく」
友人I(・д・。)「今回春日部のみんなはほとんど出ない。でも彼らが新たな魅力で立派にこの世界を盛り上げてくれたね」
~ここからネタバレあり~
~はじめての土地でイチから頑張る野原一家~
俺(´•౪•`)「けれど最初は全然近所と関係性が築けなくて、特にひろしの頑張りは見てて胸が苦しくなる。」
友人I(・д・。)「馴染みのカスカベが素晴らしすぎるという冒頭だからね、序盤で全員集合して改めてこの場所の豊饒さを知った後のメキシコだから」
俺(´•౪•`)「馴染みの所から離れたところで野原一家は頑張れるのか、結論としてこの家族は最強だから世界中のどこにでも生きていける、その頑張る姿に勇気をもらえる」
友人I(・д・。)「近所の人々と関係を築き仲間となって、そして後半の熱すぎる疾走感は絵に迫力もあってビビッとくる。」
俺(´•౪•`)「横並び、横並び」
友人I(・д・。)「横並び好きねえ」
俺(´•౪•`)「風間君たちから受け継いだカスカベ防衛隊バッジを手にメキシコ防衛隊を結成するんだからよくわかってらっしゃるよ、作り手は。横並びは仲間の証!」
笑いについて&サボテンが意味するもの
友人I(・д・。)「笑いについては最近ずっと思ってるけどいつからか「クレヨンしんちゃん」の映画はゲラゲラ笑いじゃなくて間の笑いになってきたよね」
俺(´•౪•`)「今回は特にそう感じた。俺らは好きなんだけど、下品なギャグがなくなったことも影響してるんだと思う。」
友人I(・д・。)「やはり、映画がテーマ性を出すようになってきたからかな」
俺(´•౪•`)「甘い蜜を求めて世界中から「マダクエルヨバカ」に商社がやってくる。アメリカとかを筆頭に」
友人I(・д・。)「地方にいる身としてはあの町長の姿になかなか思うところがあったよ。サボテンを観光資源にして、レジャー施設作ったりとか」
俺(´•౪•`)「人食いキラーサボテンっさ、アレ何意味してると思う?」
友人I(・д・。)「麻薬とかとも思えるけど、石油のような気もするよね」
俺(´•౪•`)「たぶん色んなものを象徴してる。けど、こないだ『人魚伝説』って映画を見てきたばかりだから、なんか原発のことかと普通に思った。町長がサボテンに町が蹂躙されても一時的な問題だ、すぐに解決するってずっと言ってるんだよね。外に出ることを提案するひろしと対立したり。」
友人I(・д・。)「そう考えると、しんちゃんの台詞えぐいよねえ」
俺(´•౪•`)「ああ確かに。町長がサボテンによって町のみんなを幸せに出来るんだーって意見を言ってる時に「でも、もうみんないないぞ」ってラスト付近の台詞ね」
終わりに
俺(´•౪•`)「俺はこのメキシコ編をもう少し見たいと心から思ったよ、カスカベに負けないぐらい豊饒な場所だった」
友人I(・д・。)「当然、カスカベには戻るんだけど、そこを描かないのが品があったね。ゆずのED曲が流れる中メキシコ編の日常が一枚絵で表現されてて凄い格好良い終わり方」
俺(´•౪•`)「あとさ序盤に泣くといったけど、物語だけじゃなくて他の要因もあって」
友人I(・д・。)「それは?」
俺(´•౪•`)「園長先生の声優・納谷六郎さんって去年の11月に亡くなったの。まさか声が聞けるとは思ってなかったから驚いてしまって。春日部を去るしんのすけにハッとするぐらい優しい声と表情で語りかけてたんだよね。」
友人I(・д・。)「あー」
俺(´•౪•`)「調べてみたら、これが最後の出演作だったみたい」
友人I(・д・。)「確かにあの辺、声と表情が普通とは違う気がした」
俺(´•౪•`)「ああ、これで園長先生の声はもう聞けないんだ、と思ったら涙が止まらなくて」
友人I(・д・。)「それ聞いてまた見たくなった」
俺(´•౪•`)「うん。是非とも。」
『オラの引越し物語 サボテン大襲撃』の予告編1はめちゃくちゃ泣けるのですが、本編見てからの方が良いかも。あと今回の映画に合わせて、野原家が旅行に出かけた話を集めたDVDが発売。見たい!
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