フランス版アニメ「PEANUTS スヌーピー」(テレビ東京)感想、あまりの可愛さに初回から心をやられる
2016/01/07
10月からテレビ東京で毎週日曜朝7:24分から放送の始まったピーナッツ新作アニメを観ました。これが予想外に面白いのでビックリ。
動くスヌーピーの可愛さは当然のこととして、矢島晶子の声で演じられるチャーリ・ブラウンが役にピッタリとハマっていました。
そして驚いたのは、公式サイトのイラスト通りの絵でキャラクターが動き始めたこと。
このアニメの制作を手掛けるのは今までスヌーピーのアニメを作っていたアメリカではなくフランスの会社。原作漫画のコマ割りを重視するところに、どことなく「バンド・デシネ」の伝統を感じさせます。かつてのスヌーピーアニメーションとはまた違った、線で動いていく感じがとても面白いです。
しかし放送時間は3分!!
あっという間に終わってしまい、おかげで書くことが・・・(笑)
というわけなので原作から500本のエピソードを放送していく「PEANUTS スヌーピー ショートアニメ」、一本ずつが短いこともあり、これから2話以降の感想も更新していく予定です。
(追記:500本のエピソードを放送することなく12月であっけなく終わってしまいましたが、動画配信サイト「ネットフリックス」で続きを全話ノーカットで見ることが出来ます。どうやらテレビ東京で放送されていたのはエピソードをいくつか切り抜いた短縮版だった模様です。以下の放送まとめはテレビ放送の際のナンバリングに準じています)
Contents
第一話「名犬スヌーピー」
食べることが何よりも大好きなスヌーピーは、お腹が空いたら食事以外の時間でもチャーリー・ブラウンを呼び寄せてご飯をねだります。でも、ある時チャーリー・ブラウンはしばらく家を空けることとなり、スヌーピーはライナスとルーシーの家に預けられることとなります。
5年先の分の食事も前借りするほど食欲旺盛なビーグル犬の運命は如何に。
(感想)チャーリー・ブラウンと別れる時にガシッとしがみつくスヌーピーの可愛さに初回から死にました。物語としては「ピーナッツ」原作のシニカルさやエグみは少なく、ほんわかモードな感じがします。「自分のお皿を持ってきたぐらいで、チップなんかあげないよ」とスヌーピーへ言うチャーリー・ブラウンの台詞に、小便をするたびに餌をねだりにくる我が家の馬鹿犬を思い出した第一話。
第二話「ゆううつな新学期(back to school)」
新学期に備えてバス停の前でバスを待つ練習をするチャーリー・ブラウンの妹サリー。そんな彼女は大好きなライナスに「もし学校へ行くのを断ったらどうなるの?」と聞きます。
ライナスは答えます「君は保安官に捕まり、水も食べ物もなく10年間地下牢に入れられる」そんなのは嫌なサリーですが、さらにこう尋ねました。
「もし学校に行くことになったらどれぐらい行かなきゃいけないの」
ライナス「12年間」
サリーは考えます。「どっちがいいのかな、迷うわね・・・」と。
(感想)なんかの本で作者のシュルツさんがサリーは苦手と言ってた気がするのですが、サリーの学校嫌いの屁理屈は本当に最高。自分の好きなギャグは、月曜だから学校だよ、とチャーリーブラウンがサリーに言ったときに「去年行ったわ」と返すエピソードです。
第三話「ついてない1日(Not your day)」
憂鬱なチャーリー・ブラウンはルーシーの精神分析スタンドへ行き、「憂鬱なんだ、どうしたらいいんだろう」と相談します。
「吹っ切りなさい」というルーシーの答え。「5セントいただきます」、あんまりなのでもうひとつアドバイスをもらえないかなと言うと、「問題は自分が駄目だと思っているってことよ。今度道を歩くときは口笛を吹きなさい。そしたら楽しい気分になるわ。はい5セント」
アドバイスを受け帰りの道で、たどたどしく口笛を吹くチャーリー・ブラウン。そのかたわらをウッドストックが超絶技巧の口笛を吹きながら通り過ぎ、チャーリ・ブラウンはますます落ち込むのでした。もうひとつのエピソードは、サリーとライナスとのデートとは言えないデート話。
(感想)はい、きました原作お馴染みの精神分析スタンド&サリーとライナスとのデートとは言えないデート話。それにしても、声優さんたちの声がいいですね。過去のシリーズでは、原作者の意向で起用された子供たちのつたない声が特徴的でしたが、この新シリーズは声優さんの上手さで話が洗練されてる。
第四話「カボチャ大王がやってくる!(Kind of spooky)」
ライナスはハロウィンに備えて、かぼちゃ大王宛に手紙を出している。かぼちゃ大王はかぼちゃ畑から飛び立って世界中の良い子にお菓子を配るんだと力説するライナス。その話を聞いてサリーは言う「いいお話ね。でもちょっとだけ負けてるわ。空飛ぶトナカイのお話に」
サンタクロースのほうがかぼちゃ大王より有名なことに不満なライナス。追い打ちをかけるように、姉のルーシーがちょっかいを出してきます。
もうひとつのエピソードはウッドストックとスヌーピーのお話。スヌーピーの捨てた原稿で巣を作るウッドストック可愛すぎ。
(感想)かぼちゃ大王の貴重な出演シーン。かぼちゃ大王のエピソードは何が面白いのかずっとわからなかったんですが、何度も何度もこの話が出てくると、「おっ来たな!」と嬉しくなってしまうピーナッツという漫画の不思議さ。部屋中にパンプキンが飾られているライナスのいじましさが泣けます。ハロウィンが近いこともあり、これ以上ないタイミングでの放送。
第五話「秋の訪れ(Automn is here)」
落ちてくる枯れ葉を見て怖がるスヌーピー。ファイティングポーズをとって戦う準備をしますが、大量の枯れ葉に恐れをなして犬小屋へ逃げ込みます。息を吹いて撃退しているうちに溜まった枯れ葉、チャーリー・ブラウンとスヌーピーが飛び込むというおはなし。
もうひとつのエピソードは枯れ葉に話しかけるライナスのはなし。それを見てルーシーに告げ口するチャーリ・ブラウン。ライナスは初めはごまかしますが、最終的に認め「葉っぱは木から落ちる時ひとりぼっちなんだ。それはまるで故郷を離れて見知らぬ都会へ向かうみたいに。」と持論を展開。ぶちぎれるルーシー、徹底的に枯れ葉を馬鹿にします。そんな彼女めがけて大量の枯れ葉が落ちてくるという終わり(笑)
(感想)枯れ葉と戦うスヌーピーの姿が可愛すぎる第六話。枯れ葉に話しかけるライナスの姿を見て、学校の建物に「学校さん」と話しかけるサリーのエピソードを思い出しました。この話でも同じくルーシーが馬鹿にして、彼女は無機物から逆襲されます。
第六話「」
(更新予定)
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そういえば角川文庫から「50・60・70・80・90年代」と続いてきた「ピーナッツ」の名作エピソードを時代順にピックアップしたベストセレクションが発売されました。各キャラクターの背景や鉄板のギャグなどを解説していて入門編に最適。持ち歩くのにちょうどよく、日英対訳なので英語の勉強にも良い感じです。
KADOKAWA / メディアファクトリー
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大注目はこちら。2015年11月18日に発売される「スヌーピー・エミー賞コレクション」
「エミー賞受賞の2作品にエミー賞ノミネート9作品のTVスペシャル番組のリマスター・エディション(商品説明より)」
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント (2015-11-18)
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今では見ることの難しい「ぼくたちのフランス旅行」や「スヌーピーはお医者さん チャーリー・ブラウン なぜなんだい? 」といった自分が大好きな作品も収録されており、とてもお得な一本。
2015年から2016年にかけては他にも、スヌーピーカフェのOPEN、12月公開の新作スヌーピー映画、来年六本木で開園されるスヌーピーミュージアム、復刊ドットコムのスヌーピーセレクション、各社から発売予定のスヌーピームック、スヌーピーの新作アプリゲームetc・・・と凄まじいまでのスヌーピーの進撃ぶりが始まります。
ファンとしては嬉しい限りです(お金がない・・・)
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