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心に響くスヌーピーアニメのおすすめエピソード5選

      2016/12/12

2015年10月からテレビ東京系列でスヌーピーのアニメが放送されるようで、近所のTSUTAYAでも過去のピーナッツのアニメが大量に入荷されていました。

しかし、その数の多いこと。

とりあえず入手できるものは全部見たので、ファンの人たちが年代ごとに様々な思い入れを持っていることを知りつつ、たくさんの作品の中でどれから観ようかと悩んでいる人に向けて、とっても面白いと感じたスヌーピーのエピソードを5本選んでみました。

(*吹替は様々なバージョンがあり、タイトルもその都度ごとに訳されているので現在見ることが出来るDVDの形式にあわせております)

劇場版アニメについては以前書いたので除いてます ←こちら。

「スヌーピーの選挙活動」(原題:YOU’RE NOT ELECTED, CHARLIE BROWN)

スヌーピーの選挙活動 特別版 [DVD]
スヌーピーの選挙活動 特別版 [DVD]

ピーナッツの登場人物の面々が学校の生徒会長選挙を戦い抜くというお話。

原題にチャーリーブラウンと入っていますが、事前調査で圧倒的に負けると判明したため(哀しいw)チャーリーの妹サリーはライナスを先頭に立たせることに決めます。ルーシーをブレインとして学校の休みの日を増やすことや宿題を減らすなど様々な改革を生徒たちに訴えていきますが・・・

当時のアメリカの状況を反映した子供たちが捉えた選挙の描き方が秀逸。原作との違いはライナスが最後当選するものの、改革を目指した彼は校長によって阻まれるといったところ。最後にサリーが「みんな一緒よ!」とロッカーを思いっきり蹴る表現が素晴らしい勇ましいことを言っているけれど、実際に行動に移すとなると動かない政治に対しての皮肉がピリリと効いてます。

 

「スヌーピー誕生」(原題:SNOOPY’s REUNION)

スヌーピー誕生 特別版 [DVD]
スヌーピー誕生 特別版 [DVD]

スヌーピーのアニメは原作の設定や時代を無視していることが多く、この作品も厳格なファンからすると賛否両論みたい。けれど、スヌーピー出生の物語はめちゃくちゃ哀愁漂う素晴らしい作品なので必見。

「デイジーヒル」で八人兄弟の一員として育ったスヌーピー。彼の兄弟たちはみんな仲良しで楽器が得意、毎日毎日セッションをして暮らしていました。でも、ある日いつものようにみんなで演奏をしていたら次々と兄弟たちがいなくなっていきます。少しずつ少しずつ小さくなっていく演奏、それぞれの飼い主のもとへ彼らは旅立って行ったのでした。

紆余曲折を経てチャーリー・ブラウンのもとに来たスヌーピーは、久しぶりに兄弟みんなに会いたくなって彼らを家に招待し共に故郷を目指すことに。しかし、かつての「デイジーヒル」は駐車場へと変わっていました、悲しむチャーリー・ブラウンでしたが陽気なスヌーピーたちは、あの時みんなで演奏した音楽を路上に響かせるのです・・・。

 

「スヌーピーの見た夢怖い夢」(原題:WHAT A NIGHTMARE, CHARLIE BROWN)

スヌーピーのこわい夢【日本語吹替版】 [VHS]
スヌーピーのこわい夢【日本語吹替版】 [VHS]

【『スヌーピー : 1970年代コレクション Vol.2』】に所収のエピソード

チャーリー・ブラウンにソリをこがせる、朝食に自分用のピザを丁寧に作り贅沢三昧(このピザが実に美味しそう)そんな傍若無人のスヌーピーが夢の中、北国らしき場所でさんざんな目に合うというお話。

起きても覚めない夢の中で、雪原の苛酷な道を他の犬にいじめられながら進むスヌーピーは徐々に、オオカミに対抗できる野性を身につけていくのです。生活のために頑張らねばならない四足で歩くスヌーピーの姿に哀愁を感じます。

 

「チャーリー・ブラウンなぜなんだい」(原題:WHY, CHARLIE BROWN, WHY?)

スヌーピーはお医者さん?~チャーリー・ブラウンなぜなんだい?【日本語吹替版】 [VHS]
スヌーピーはお医者さん?~チャーリー・ブラウンなぜなんだい?【日本語吹替版】 [VHS]

【2015年11月発売の『スヌーピー:エミー賞コレクション(2枚組)』に所収(予定)】 

チャーリー・ブラウンたちの友達ジャニスが白血病にかかってしまう話。痣が治らないこと、骨髄注射の検査、抗がん剤で髪の毛が抜けちゃう等、入院した彼女が語る癌のエピソードとその描き方が凄まじく『ピーナッツ』アニメの中でも異色のエピソード。

「じゃあ死んじゃうの」とジャニスに聞いてしまうチャーリー・ブラウン、その帰り道世の中の不条理さに「なぜだいチャーリーブラウン、なぜなんだい」とつぶやくライナス、「白血病が移っちゃうじゃない」と言ってしまうルーシー、そういう子供の複雑さをダメと言ったり最低だとも描かない作者シュルツの優しさが垣間見えます。

季節が次々と過ぎ、ついに春を迎えて最後に仲間たちがブランコを漕ぐシーンは深夜にボロボロと泣いてしまいました。

↓このエピソードは絵本verもあります

「スヌーピーの音楽会」(原題:THE MUSIC AND HEROES OF AMERICA)

スヌーピーと学ぼう!~アメリカの歴史~ [DVD]
スヌーピーと学ぼう!~アメリカの歴史~ [DVD]

【DVD『スヌーピーと学ぼうアメリカの歴史』に所収】

いつもはベートーベンしか弾かないシュローダーが「金髪のジェニー」「おー、スザンヌ」といったアメリカ史に残る音楽を発表していく話。

その演奏の合間にピーナッツの女性キャラが「アメリカ赤十字」「ヘレン・ケラー」「マーガレット・ミード」とアメリカで活躍した女性のエピソードを紹介し、フランクリンが奴隷制度について発表するなかバックでは「聖者の行進」が響き、ベトナム戦争の映像と「花はどこへ行ったの」が交差していく。

様々な音楽が画面を駆け巡り、いつも通り調子に乗るスヌーピーと共に踊りだしたくなる一本。最後にチャーリー・ブラウンが好きな歌を聞かれ、「1960年代の歌なんだと思う」「きっとジャズなんじゃないか」「ヴィンス・ガラルディって言うんだ」とつぶやいていく場面でうるうるきます。というのも、ヴィンス・カラルディこそスヌーピーアニメの音楽を彩った偉大な作曲家だからです。

 

・11月に発売される2枚組のベスト盤「スヌーピー:エミー賞コレクション」について

5本ということで泣く泣く取り上げませんでしたが、ほかにもスヌーピーのアニメには多くの素晴らしいエピソードがあります。

多くは1960年代や1970年代に集中しているためDVD「1970年代コレクション」などでまとめて見ることが出来ますが、このたびついに「スヌーピー:エミー賞コレクション」というベスト盤が発売されることが決まりました(2015年11月に発売予定)

エミー賞を受賞した作品、ノミネートした作品、スヌーピーとウッドストックが究極的にかわいい「スヌーピーの名探偵」、「ぼくたちのフランス旅行」 「スヌーピーのフラッシュビーグル」といった80年代・90年代の傑作エピソードがまとめて収録されているので最高の一本だと思います。

 

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