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『劇場版アンパンマン ゴミラの星』はシリーズトップクラスの感動作

      2016/07/29

相も変わらずの体調不良が続いて、真剣に画面に集中すると熱が上がってしまうので「もっと軽いものを」と何気なく見始めた劇場版アンパンマン。

2015年時点でアンパンマンの劇場版は27作あって(併映は除く)約半分を見終えたあたりから、若干のルーティン化が始まってしまい。よっぽどのことがないとストーリーに感動できない悲しき体質になってしまった。

アンパンマン映画の構造は、だいたいカバオくんたちが何かその劇場版に関係のある場所で祭りの準備やお話をしているところにバイキンマンが襲来し、ミミ先生がさあ、みなさんこんな時は!と号令、「アンパンマーーーン!」と叫んで始まる。

で「アンパンマンのマーチ」が流れる中、颯爽とアンパンマンが現れるのだけど「劇場版アンパンマン ゴミラの星」の場合は「アンパンマーーーン」と叫んでから若干のタメがあるのだ。

大体二秒。これは・・・

もう、この時点で傑作だと断言できる。

こういう細かいところに手を抜かない劇場版は面白いと相場が決まっている。

そして来たれるアンパンマン、雲の中から食パンマンとカレーパンマンがあらわれて合流する。

あ、すごい完全に傑作だわ。

あらすじ

ある日、ミミ先生とカバオくんたちが望遠鏡で空を覗いていると、空から燃え盛る物体が落下しているのを見つける。

間一髪で助けに来たアンパンマンたちがそれを消化すると、中から出てきたのはヤーダ姫と名乗る人物(かわいい)、彼女はアンパンマンの助けを求めてこの星へ来たのだという。

ヤーダ姫の故郷ヤーダ星には、どんなものでも吸い込むダストホールとなんでも燃やせるダストマウンテンがあったのだが、いまは活動が停止してしまい、故郷の星は誰も住まないゴミで覆われた土地になってしまったのだ。

s_ゴミラの星2

サブリミナルのように挿入されるお風呂シーンのあとのヤーダ姫(かわいい)声優は酒井法子

困ったアンパンマンたち・・・けれど、みんなはゴミラにヤーダ星のゴミを食べさせれば良いのではと考えつく。ゴミラはゴミを食べることで、どんどん大きくなるからだ、

名案を思いついたアンパンマンたちはゴミラを探しに行く。その頃、バイキンマンたちはヤーダ姫の話を知り、先回りしてヤーダ星で「ダストデーモン」を作り上げていた・・・。

 

感想

過去作のなかにはストーリーが難しかったり、今見ると間延びする場面が多くてつらい映画もあるが、このあたりの時期のアンパンマン映画はクオリティが高く、「ゴミラの星」は特にキャラクターの表情や動画の質感が優れている(だいたい序盤のドキンちゃんの表情でわかる)

細かな部分にも目が行き届いているから戦闘シーンやちょっとずらした展開も楽しい。劇場版をたくさん見たせいで不感症になっていたものの、「すすめ!アンパンマン号」のコーラスとともにアンパンマン号が宇宙へ向けて飛び立つシーンは王道ながらまったく飽きなかった。

s_ゴミラの星1

この辺の時代はバイキンマンもガチだから、ダストデーモンの造形が怖い。巨大化したゴミラとのバトルは完全に「ゴジラVSメカゴジラ」だし、ダストデーモンを喰らうことで大きくなるゴミラの戦闘は完全にドラマ「フードファイト」である。

そして「自己犠牲」はアンパンマン世界を貫くキーワードだが、今回の描写は歴代でもトップクラスの凄まじさ。ダストデーモンの吐く「ゴミオキシン」によって泥人形にさせられたジャムおじさんたちは、いつものようにアンパンマンを助けるためにパンを焼くが、

ここで問題が発生する。かまどの熱は高温で、パンやかまどに触れると自分たちが熱で固まってしまうのだ。

それでもアンパンマンのために、一人ずつリレーをしてパンを届ける、

ドキンちゃんまで参加するパンの受け渡しシーンは感動するけどゴトリと固まっていく仲間たちの描写は怖い。

ダストデーモンを倒しても物語は終わらないのもこの映画の凄味に拍車をかける。「遅かったのかもしれん・・・」とつぶやくジャムおじさん、アンパンマンの住む星にヤーダ星は徐々に落下していくのだ・・・アンパンマンたちは必死の抵抗を試みる。(ここらへん、完全に『逆襲のシャア』だった)

「僕が行くよ」、そう言ったのはゴミラだった。

自らがダストマウンテンに飛び込めば、体内エネルギーが爆発して、地球からヤーダ星を遠ざけるようになるかもしれない。

その時ヤーダ姫は言う「ゴミラをひとりぼっちにさせたくない」、みんながいなくなった星の王女。家族もいないひとりぼっちのゴミラ、物語が進む中で彼らには絆が出来ていた・・・。アンパンマンたちが、ヤーダ星を押し返すのに必死の中、ゴミラは火山の火口に身を投げる・・・その途中にヤーダ姫を脱出させて。

・・・いや、そりゃ死なないけど、それを忘れさせる凄いシーンだった、「虹のピラミッド」と「いのちの星のドーリイ」の終わりもそうだけど、のめり込みすぎて合理的な思考を忘れちゃう瞬間がアンパンマン映画にはちらほらあって、このシーンは滝のように涙が出た。

あと「ダイオキシン」という時代を反映したテーマゆえにか、だいたいどの作品でも、敵を倒したら世界が一気に浄化されるんですが、今回はゴミの下に植物が咲いてたという描写のみ、そのカタルシスのなさは全アンパンマン映画のなかで、もしかしたら一番テーマ性が強いかもしれないと感じた映画だった。

 

劇場版はあと何本かで終わりなので、全部見終わったら「大人も楽しめるアンパンマン映画BEST5」という記事を上げる予定です。

 

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