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そして彼らは集結する。『X-MEN アポカリプス』の感想と過去作の予習

   

『X-MEN アポカリプス』はX-MENシリーズの最新作にして『ファースト・ジェネレーション』に始まる新シリーズの完結編である。

個人的には、前作の『フューチャー&パスト』が旧シリーズと新シリーズを繋げたうえに、旧シリーズの駄目さを補完までしちゃう凄まじい芸当をブライアン・シンガー監督はやってのけたので「続きとは?」と半信半疑のまま映画館へ。

古代エジプトに存在した最初のミュータント・アポカリプス(エン・サバ・ヌール)が突如復活し、四人の部下を率いて堕落した現代の世界を破壊していくというのが物語の骨格だ。

そして「黙示録の四騎士」と呼ばれるその勢力のなかにマグニートーことエリック・レーンシャー(マイケル・ファスベンダー)の姿も存在し、プロフェッサーX(ジェームズ・マカヴォイ)との因縁にもついに決着が……。

ポスター/スチール 写真 アクリルフォトスタンド入り A4 MS4 X-MEN アポカリプス 光沢プリント
ポスター/スチール 写真 アクリルフォトスタンド入り A4 MS4 X-MEN アポカリプス 光沢プリント

『X-MEN アポカリプス』の感想

冒頭のピラミッドの地下で行われている怪しげな儀式の場面からX-MEN恒例のオープニングに至る流れはシリーズ屈指の興奮度。

管のような空間を通っていき、人間の反逆により神の座を引きずり降ろされたアポカリプスのいた紀元前3600年から現代に至る時代のアイコンが次々と通過していく。モナリザ、電車、飛行機、爆発するナチスのハーケンクロイツといったように。

このように最初のシーンから本作は「うおう、もうおなかいっぱいだぜ」な派手さ、「物語をゆっくり食わしてくれ」とつい思ってしまうブライアン・シンガーの大味要素を予感させる。『X-MEN2』のときに近い雰囲気に「これこれ」と懐かしくなった。

アポカリプスが四人の部下をリクルーティングしていくのと同時並行で、

プロフェッサーXが運営する学校で苦悩する若きジーン・グレイ、

前作で英雄となったミスティークの帰還、

スコット(サイクロプス)の入学、

まだ何物でもないクイックシルバーの自分探し、

のちにX-MENに加入することになる「黙示録の四騎士」の一人ストームの行方、

そしてマグニートーの再びの人間への絶望。

と、盛りだくさん。当然144分を使っても物語としてはまとまらない。しかし現代世界を破壊する準備段階でアポカリプスがチャールズ(プロフェッサーX)に目をつけ誘拐した瞬間から

びしっと物語が締まる。やはりみんなチャールズが大好きなのである。

本作一番の見所はそんなチャールズ大好き筆頭のマグニートーが見せる、「チャールズは好き」「人間は嫌い」「でも頑張る」「頑張れなかった」という感情をすべて内包したマイケル・ファスベンダーの演技だ。

正直「フューチャー&パスト」でこのあたりの感情にはいったん決着がついているから省いたほうが物語としてはすっきりするのだが、そういうすべてを忘れさせる彼の有無を言わせない神聖さすら感じる演技に心を動かされた。

あとは決め絵とスローモーション大好き監督ブライアン・シンガーのなかでも屈指の出来と呼びたい敵役サイロックの格好良さ。ぐるぐるまわって、着地、サイキックソードの交差という見目麗しき動きに思わず「姉さん!!」と脳内で叫んだ、今もときめきがとまらない。

某MOOK本で「2016年蹴られたい女性キャラクターナンバーワン」という注釈がついていたのも頷ける。

ポスター/スチール 写真 A4 パターンL X-MEN アポカリプス (原題) 光沢プリント
ポスター/スチール 写真 A4 パターンL X-MEN アポカリプス (原題) 光沢プリント

 

『アポカリプス』は物語の出来よりも『ファースト・ジェネレーション』でまだ若手だった俳優陣がベテランの風格を見せつけ、若手勢を演技でひっぱるところに面白さがある。

『X-MEN2』や『ファイナル・ディシジョン』が大味でもなぜか心に残ってしまうのは、たとえ年齢差があっても「X-MEN」として戦う以上は同じ土俵であり容赦しないこと、必ず心情を吐露する若者にアドバイスをする年長者という「プロフェッサーXの教育」が垣間見えるからだ。それは「X-MEN」の物語の肝である。

今回もジェニファー・ローレンス演じるミスティークがその役回りを担っていた。当初はチャールズについていくだけだった彼女が、離反し、独り立ちし、そしてチャールズを助けに行くリーダーとなるシリーズの流れは彼女の俳優としてのキャリアの積み重ねを見ているようだ。

俳優と演技する対象とのリンク、X-MENシリーズほどそれが顕著にあらわれているシリーズはない。だからこそマイケル・ファスベンダーもジェームズ・マカヴォイも今作で終わりという表情を見せるラスト周辺のいちゃいちゃには胸を打たれた。

シリーズは続く、けれど一つの物語は終わったというせつなさを久しぶりに感じる作品である。

 

(おまけ)プロフェッサーX役のジェームズ・マカヴォイの断髪式。

本作を楽しむためのシリーズ鑑賞順序(最速おさらい)

本作では若きナイトクローラーやウルヴァリンの過去を知るストライカー大佐、クイックシルバーなども出てくるので過去作の予習は必須。でも時間がないと思う人のための最速鑑賞順序をご紹介。

『X-MEN2』 (ストームやウルヴァリンなどX-MENの主要メンバーに加えてナイトクローラーも出てくるのでここから感触をつかむのもよし。冒頭に1のあらすじもさらっと紹介されるため2からで大丈夫。)

『X-MENファイナルディシジョン』(非常に微妙である。けれど本作は見ておくと『フューチャー&パスト』『アポカリプス』での感動が何倍にもなる恐ろしい作品。)

『ウルヴァリンSAMURAI』(余力があれば見てほしい。巷では微妙という評判もあるけれど、いえいえ日本のヤクザと新幹線で戦うウルヴァリン、パチンコ屋で戦うウルヴァリンとみんなで楽しむ娯楽作品として一級の出来)

『X-MENファーストジェネレーション』(新シリーズの開始。物語は過去にさかのぼり、プロフェッサーXとマグニートーの友情、そして決裂が描かれる。何度見ても傑作)

『フューチューアンドパスト』(ファーストジェネレーションの続編であり、旧シリーズとも話を繋げた凄まじい物語。シリーズを通しで見ていると(特に『ファイナル・ディシジョン』)最後が泣ける傑作)

「エセックス社」とは?ラストシーンの意味(ネタバレあり)

マーベル映画特有のスタッフロールが終わるまで立ってはいけません解説。

ウルヴァリンが改造され監禁されていた因縁の場所に訪れる怪しげな人々、彼らは「ウェポンX」と呼ばれる液体を回収していく。アタッシュケースには「エセックス社」という文字、中には同じような液体が並ぶ。

これは原作コミックのストーリーラインをなぞると、ナサニエル・エセックス(Mrシニスター)が作り出したウルヴァリンのクローン(女性!)の登場を示唆している。

次作のウルヴァリンシリーズがヒュー・ジャックマンの出演するラストの作品なので、もしかしたら新しいウルヴァリンが誕生し、交代する流れになるのかもしれない。

 

(おまけ)映画公開にあわせて制作されたクイックシルバーが大活躍の海外CM。ネット回線の遅さに悩む内容。

 - 映画評

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