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実にわかってない映画『リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い』を見るボンクラ二人

      2020/11/02

(ネタバレありです)

俺(´•౪•`)「今回取り合える映画はこれ『リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い』」

リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い [Blu-ray]

友人I(・д・。)「ところでさ、ここで取り上げる作品ってどうやって選んでるの?」

俺(´•౪•`)「んー、基本的には90年代から2000年前半のなんか一人で見るのはあれだけど、企画とか設定が良くて、でも残念だったり癖のある映画を取り上げてる感じ

友人I(・д・。)「なるほど(笑)」

俺(´•౪•`)「喋りやすい映画とか選ぶようにはしてて、あとは適当な事をガヤガヤ言っても怒られない感じの映画を(笑)それとこうすればいいのではとアウトプットして創作の糧にしたいという欲望もある」

友人I(・д・。)「でも俺ら最近会ってないから喋るの久しぶり感あるわ。」

俺(´•౪•`)「そうなんだよねえ。俺のマネーが全然ないからねえw。だからスカイプとか使ってやろうかなとかも考えてるよ。一応取り上げる映画は決めてるし

友人I(・д・。)「それを見とけと」

俺(´•౪•`)「そうそう一応こんな感じ」↓

今後取り上げるかもしれない映画


・一人で見るには辛い、ノスタルジーの分野

『就職戦線異状なし』、『バブルへGO!』、『リターナー』、『ジュブナイル』、『僕たちは世界を変えることが出来ない』、『夜逃げや本舗』、 『めぞん一刻』、 各種角川映画(『戦国自衛隊』など)『スペーストラベラーズ』 、『カンニング』、『 私をスキーに連れて行って』、『ヴァンヘルシング』など。

・たぶん面白い、微妙に見たかった映画

『スウォーズマン/剣士列伝』、『バロン』、『トロン』、『ミニミニ大作戦』、『バンデットQ』、『ムーンウォーカー』、『おしゃれキャット(吹替版)』、『シンシティ』、『地球に落ちてきた男』、『幻の湖』など。

・良く知らない、気になる映画

・『魔法の剣キャメロット特別版』、『超少女REIKO』、『1999年の夏休み』、『アルタードステーツ』、『メドゥーサ・タッチ』、『金融腐蝕列島』、『ザ・マペッツ』、『失はれた地平線』、『マイク・ザ・ウィザード』など


友人I(・д・。)「うええええ。濃い&辛いのがいくつか見える・・・で、今回の映画はどの枠なの」

俺(´•౪•`)「うん!もちろん一人で見るにはちと辛い映画!」

友人I(・д・。)「ああ、やっぱり・・・」

俺(´•౪•`)「というわけで『リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い』のあらすじー。

あらすじ

時代は1899年、世紀末の英国銀行が謎の人物の手によって襲撃される、英国はドイツの仕業だと睨むが、ドイツでも同じように軍事研究施設が襲われる。睨みあう大国同士、そんな中、英国政府の使者はアフリカで暮らしている老齢の冒険家クォーターメインに依頼を持ちかける。それは二つの襲撃事件を起こした“ファントム”という人物の犯行を防ぐため『超人同盟』というチームを率いて欲しいというものだった・・・。」

(鑑賞終了)

俺(´•౪•`)「さて、どうでした?」

友人I(・д・。)「これアラン・ムーアの原作漫画があるんだね・・・。俺はとにかくそっちを読みたくなったよ。企画と設定は間違いなく好みなんだけど話の展開がとにかく微妙で・・・。」

友人I(・д・。)「19世紀の小説の人物がもし実在したらという、設定がもう最高なんだけどさ(笑)ただ公式サイトには<誰もが知っている世界的な名作の主人公たち>という記述、そこまで断言できるほど有名じゃないと思うんだよ(笑)」

超人同盟のメンバーは19世紀の有名人

  • 主人公のクォーターメイン・・・『ソロモン王の洞窟』シリーズ
  • キャプテン・ネモ・・・ジュール・ヴェルヌの小説『海底二万里』
  • ジキル&ハイド・・・もちろんスティーヴンソン『ジキル博士とハイド氏』から。
  • ミナ・ハーカー・・・ブラム・ストーカーの恐怖小説『吸血鬼ドラキュラ』からはドラキュラの血を唯一吸った女性
  • ドリアン・グレイ・・・オスカー・ワイルドの小説『ドリアン・グレイの肖像』から
  • トム・ソーヤー・・・『トム・ソーヤーの冒険』
  • ロドニー・スキナー・・・H・G・ウェルズの小説『透明人間』に出てくる主人公ホーレイ・グリフィン博士から透明薬を盗んだ盗賊という設定。どうやら著作権の問題らしい

友人I(・д・。)「うーん、ロドニースキナーあたりのうやむや感とか実に適当な作りだ(笑)ドリアン・グレイも出てきたときは笑ってしまった。」

物語のほら吹き感は楽しい

俺(´•౪•`)「そんな彼らに戦争を回避してもらう話なわけです。が、前に『ガーディアンズ』を取り上げたときも思ったけど、登場人物が別の作品で知られているとその文脈に頼ってしまい、映画の中でキャラクターを深堀りしないという傾向があると思うんだけど、この映画もまさにそれ。ちなみに原作はそのあたりの仕掛けがめちゃくちゃ面白いらしくて、19世紀末イギリス文化や文学をごちゃまぜにした壮大なコミックみたい。」

友人I(・д・。)「ますます読みたい。ネタバレするけどさ、超人同盟のボスであるMが、ボンドの上司Mを想起させといて実はホームズのモーリアティでしたーみたいなの。楽しいんだけどさ、映画としてはそのせいで超人同盟が壮大に無駄にぐるぐる回って移動させられてて、こいつら何やってるの?という感覚が凄かった。チームワークもばらばらで」

俺(´•౪•`)「『オペラ座の怪人』のファントムであり、ジェームズボンドの上司Mも想起させて、正体はモーリアティってめちゃくちゃ豪華だよね。高速マシンガン、ノーチラス号とか、飛行船とドイツ、冒険家とアフリカ、1899年という世紀末に暗躍している組織、このほら吹き感は涎が出るよ。」

友人I(・д・。)「そして、そのせいで個々人のキャラクターが複雑すぎ&要素も多すぎて、まとめきれなかったと。掘り下げる前に「はい次、はい次」でどんどん移動するんだもん。場面転換もぶつ切りで戦闘シーンとかめちゃくちゃ退屈だった。各人が超人同盟に参加する原理も最後の方でようやく把握できたと思ったら、裏切り者が実はドリアン・グレイでしたー。みんなの能力盗んでましたーとか急に言われて、誰にも感情移入できてなったから置いてけぼり感が凄まじい(笑)」

俺(´•౪•`)「 そう考えると、集合系映画って本当に難しいんだと思うわ。どこに誰を配置するかを淀みなく、ただ詰め込むんだだけじゃ、たとえ豪華でも物語がおろそかになってしまうというのは仮面ライダー見ててもそうだし、アベンジャーズって本当に凄かったんだなと痛感させられる。それぞれの文脈も価値観も違うキャラクターが一つの出来事をきっかけに真ん中に集まってくる。

チーム感は伝わらないがショーン・コネリーが素晴らしいというはなし

友人I(・д・。)「でもショーン・コネリーが良かったよねえ。インディ・ジョーンズバイアスかもしれないけど」

俺(´•౪•`)「よかった。ずるいとも言えるw。 だから最初は面白かったんだよ。途中から凄い失速していく、この目的を失って意味も分からず失速する感じは凄いと思う!」

友人I(・д・。)「凄いよと言われても(笑)でも確かにわかる。今調べたらなんか監督とショーン・コネリーが凄い喧嘩したとか出てきた。その辺も何か関係ありそうな・・・」

俺(´•౪•`)「うわあ、生々しい。」

友人I(・д・。)「 最後にさ、死んだクオーターメインが実は生きてて、墓がガタガタってなるじゃん、ライフルの下にある土が揺れて、カメラが寄って、そして・・・終わりという(笑) いやいや、どう考えてもそこは 手がガッと出てきて銃をつかむシーンで終わりだろう!と

俺(´•౪•`)「とりあえず早く終わらせたかったんじゃない?」

友人I(・д・。)「なんか後半の投げやり感は凄いよね。そういう製作の問題かなあ。横並びの絵が出てくるだけでも良かったのに。それも無し、見事なほど何もわかってない

序盤の10分間が最高すぎるという新しい経験

俺(´•౪•`)「逆に横並びを回避するとか新しくない?」

友人I(・д・。)「俺は王道が見たいの。そういう心が動く絵があるの最初だけなんだよね。本当、序盤の10分は最高の映画って初めて

俺(´•౪•`)「個人的に、19世紀的なものへの疲労、前時代的存在であるクオーターメインが、20世紀的なものに対峙するって感じにしても良かったかなと思う。超人同盟の面々に付け加わったトムソーヤーに不満ある人もいるみたいだけど、なんか「アメリカ」という若者に何かを託しているような感じがして、その辺はかなり好きなんだけどね」

友人I(・д・。)「「個々の本をもっとよく読んで、どう繋げられるかとかやってみたいわ。19世紀の小説って物語の素がたくさんあるけどあんまり読んでないし、同時代性でほら吹き話はなかなか良いと思う。」

俺(´•౪•`)「あとさ邦題なんだけどさ・・・別に時空、超えないよね(笑)」

友人I(・д・。)「超えないねえ(笑) 」

予告編はマジで素晴らしい出来なので見てみておくれ!(追記)2015年6月6日情報。なんと原作をもとに再映画化とのこと。

やったぜ。

*(参考)映画における横並びのシーンを集めた動画

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 - ボンクラ, 映画評

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