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子供のプレゼントにおすすめの映画DVDを十本まとめてみた

      2016/12/01

クリスマスから年始にかけて家電量販店でプレゼントの選択に苦闘する親御さんの姿を見ていたのもあってお呼びでないのに勝手に一肌脱がせてもらった。

もし「親戚のオジサン」という立場だったらどんなDVDを子供にプレゼントするだろうと酒を呑みながらひたすら話し合った結果が今回の記事。

選択の基準としては定番のジブリやディズニーは外し何度繰り返し見ても面白く貰ったら喜びそうなものを出来るだけ子供の気持ちに寄り添って選んでみた。

①「ミトン+こねこのミーシャ~ロマンカチャ―ノフ短編集~」

ミトン+こねこのミーシャ~ロマンカチャ―ノフ短編集~ [DVD]
by カエレバ

 

「チェブラーシカ」を作ったロマン・カチャ―ノフ監督によるソ連の人形アニメーション

一本一本が10分と短く、台詞もほとんどないが約50年前の作品とは思えない新鮮な感情を味わわせてくれる短編映画。

母親に犬を飼うのを禁止されている少女が自分の手袋で遊んでいるうちに、それが毛糸の犬へと変化していく不思議な作品「ミトン」(パッケージ画像)や住んでいた小屋が壊されたために代わりの家を探し始める「こねこのミーシャ」など、色彩豊かな世界を舞台に繰り広げられるどこかとぼけたキャラクターたちの活躍が可愛らしい。

自分のおすすめは「ママ」という短編。

息子が昼寝している最中、買い物に行った母親がなかなか商品を買えず、不安に駆られる話。それだけなのだが、9分とは思えない巧みな時間演出とラストに母親が見せるさりげない仕草が秀逸。

 

②「きかんしゃトーマス キング・オブ・ザ・レイルウェイ トーマスと失われた王冠」

映画きかんしゃトーマス キング・オブ・ザ・レイルウェイ トーマスと失われた王冠 [DVD]
by カエレバ

 

最近の機関車トーマスはキャラクターたちが優しい

自分の子供のころに好きだったのが機関車トーマス。今回の記事のために久しぶりに最近の劇場版を見てみたら、意地の悪いキャラクターたちの性格が改善されていたので驚いた。

本作のあらすじは、ソドー島に戻ってきたノランビー伯爵が、トーマスたちの力を借りてお城を再建するという物語。けれど伯爵が連れてきた機関車スティーブンは、昔炭鉱で活躍したものの、今は力不足でちゃんとした仕事を見つけられません、そしてあるとき事件が……。

時代遅れのベテランもふて腐れることなく、必死で自分の出来ることを探すストーリーは、みんな何かしらかの役目があるといったテーマとともに見終えると爽やかな気分になる。

少しストーリー性があるため、より低年齢の子供向け作品としておすすめのプレゼントはソドー島の機関車たちを紹介した入門DVDきかんしゃトーマス新大図鑑 ~ソドー島のなかま全員集合~ [DVD](トーマスのDVDの中で一番の売上みたい!)

 

③「スヌーピー:エミー賞コレクション」

スヌーピー:エミー賞コレクション(2枚組) [DVD]
by カエレバ

 

1980年代や1990年代に放送されたエピソードを厳選したスヌーピーのアニメDVD

スヌーピーのアニメは1960年代や1970年代に名作エピソードが集中していることはよく知られている。

けれど個人的にはキャラクターの可愛さが存分に出ている後期の作品も好み。これはそんな日本において少し見ることが難しかった後期の作品を集めているので収録数も多く非常にお得でおすすめのDVDとなっている。

スヌーピーとウッドストックのやりとりが可愛すぎる「スヌーピーの名探偵」や、白血病にかかった友達を子供の目線で描いた感動作「チャーリーブラウンなぜなんだい」などすべての作品がエミー賞ノミネートおよび受賞したものなので、子供のみならず幅広く色んな世代におすすめの一本。

 

④「おまえうまそうだな」

おまえうまそうだな [Blu-ray]
by カエレバ

 

異なる本能を持つ種族の対立と共存を誠実に描いた絵本原作のアニメーション

ある日、川から流れてきた卵を拾った草食恐竜のマイアサウラ。彼女はその卵を巣へと持ち帰り孵化させるが、生まれてきた子供は鋭い歯を持ち肌の色も自分たちとは異なっていた。だが彼女はその子供をハートと名付け、自分の子供ライトとともに群れを離れて三人で暮らす決心をする。

しかし、ある出来事がきっかけでハートは自分が「草食い」とは違う「肉食い」だったことに気づき、愛する母や兄のもとから去っていく……。

宮西達也の原作をより可愛らしくデフォルメしたアニメ版は、容赦ない自然界の競争を冒頭に置き、本能に目覚めたハートが恐怖に泣き叫びつつもよだれを垂らす描写を入れてくるなど、子供向けだろうとまったく手を抜いていない。

だからこそ「どうしようお肉がおいしいよ・・・」といった台詞のひとつひとつが、本当に感動的で、成長したハートが同じく草食動物のアンキロサウルスを一から育てることで母親の気持ちを知り、生まれ故郷に戻る決意をするシーンは何度見てもずびずび泣く。

恐竜同士の戦いも躍動感に満ち溢れていて必見の作品。

 

⑤「劇場版ミッフィー どうぶつえんで宝さがし」

劇場版ミッフィー どうぶつえんで宝さがし [DVD]
by カエレバ

 

ミッフィー原作者ディック・ブルーナの鮮やかな色合いが忠実に再現されているクレイ・アニメーション

動物園へやってきたミッフィーたちが、パパとママの企画した「宝探しゲーム」に参加する物語。これ以上ないぐらい低年齢向けに作っており子供を飽きさせないための仕組みが随所にある。

たとえばお宝へつながる「宝さがしの歌」が何回も繰り返されたり、ミッフィーが画面に向かって語りかけてきたりとどこまでも子供たちへ配慮した作品なのだ。

クイズの内容も色とりどりの動物を探していく内容なので、動物や色の名前を覚えるといった教育番組の要素もあり、原作の特徴的な色合いがクレイアニメで忠実に再現されているから観ていてワクワクする。

何度も繰り返しDVDを再生するのは間違いないので、一番子供のプレゼントにおすすめかもしれません。

 

⑥「虫が演じるシェイクスピア」

虫が演じるシェイクスピア 「ロミオとジュリエット」 [DVD]
by カエレバ

 

「昆虫」×「ロミオとジュリエット」=「カオス」

常人の発想じゃない。

虫たちにシェイクスピアの「ロミオとジュリエット」を演じさせるのだ。

ロミオはカブトムシの一族でジュリエットはクワガタの一族。お互いの一族は対立しているけれども徐々に惹かれていく二匹。しかし悲劇は起きてしまうといったほとんど名作そのままの内容なので、いがみ合うことの醜さを教えてくれる。名言「あなたはどうして、ロミオなの」を喋る皆川純子ボイスに癒される。

作り手の狂気を感じる見どころとしてはカブトムシとクワガタを実際に戦わせている決闘シーンの凄まじさや、マレーシアのベナン島で撮影された夕陽をバックに描かれるロミオとジュリエットのラブシーン、必見。

あとメイキングシーンには作り手の凄まじい執念が記録されているので虫好きのお子様のプレゼントに是非。

 

⑦「ピングー The Best of PINGU」

ピングー30周年 スペシャルDVDボックス「The Best of PINGU」
by カエレバ

 

みんな大好きピングーの生誕30周年を記念して作られたメモリアルBOX

ピングーファンが自分の好きな作品を投票し、その結果選出されたBEST30がすべて収録されている。

俺が欲しい。

「ピンガ誕生」「ピングーのポップコーンづくり」など、ああ!あれか!と思い出す作品もあればまったく知らない作品もあり、トラウマエピソード「ピングーの夢」もキッチリ収録されている(お子様は注意しよう)

創意工夫に溢れるピングーの活躍や嫌な奴が嫌な奴に終わらない深みのあるキャラクターの描き方など「ピングー」は大人になって改めて見ても感動できるクレイ・アニメーションだ。

そしてDVD-BOXにはみんなが知っているピングーの原型である「パイロットフィルム①(1980年制作)」「パイロットフィルム②(1986年制作)」といった貴重な映像も収録されていて、昔見ていた親御さんも喜びそうな内容。

 

⑧「それいけ!アンパンマン 勇気の花がひらくとき」

それいけ!アンパンマン 勇気の花がひらくとき [DVD]
by カエレバ

 

アンパンマンのカッコよさ、バイキンマンの怖さが光るシリーズ屈指の名作

古いアンパンマン映画は後に確立される定番の展開がまだないので、子供の時に見ると次に一体どうなるのかまったくわからないドキドキハラハラの要素が満載。この作品もアンパンマンの初恋が描かれたり、バイキンマンにアンパンマンがこれ以上ないぐらい敗北したりと子供にとっては刺激が強い。

だからこそこの映画は観た人の心に強く刻み付けられる。

シリーズのベストに推薦する人が多いのは、みんなを守るアンパンマンの戦う姿に名曲「勇気の花がひらくとき」がかぶさり、見る人に「ヒーロー」という存在を否応なく納得させられるからだろう

 

昔のアンパンマン映画は、どれを選んでもプレゼントにおすすめなので昔書いた記事を参考にどうぞ。

大人も絶対楽しめる!オススメのアンパンマン映画BEST5

 

⑨「劇場版しまじろうのわお!しまじろうと おおきなき」

劇場版しまじろうのわお!しまじろうと おおきなき [DVD]
by カエレバ

 

「兄」「母」といった家族の役割について改めて考えさせられるしまじろうの大冒険

あらすじ:最近お母さんは妹のはなちゃんばかりを可愛がって、しまじろうに構ってくれない。何かしたら「お兄ちゃんだから」と怒られる日々。お兄ちゃんとして頑張らなきゃいけない、でもしまじろうだって甘えたい。

そんなモヤモヤを抱えているときに、はなちゃんは助けを求める大きな木の夢を見る。しまじろうたちはマザーウッドと呼ばれるその木を助けに霧が島へ向かうのだった。

劇場版ミッフィーと同じように歌があり、メガホンを使ってしまじろうたちを応援して!と見ている人へ語りかけるなど飽きさせない仕組みが盛りだくさん。なにより素晴らしいのはマザーウッドを助ける最中に囚われた妹を助けるためにお兄ちゃんとして頑張るしまじろうの姿、他のキャラクターたちもはなちゃんを助けるために自分たちが抱える苦手を克服する瞬間の描き方がとっても良い。

ラスト、しまじろうが家に帰ってきてお母さんに「あること」を言うのだが、冒険を経て一人の息子として発せられる言葉には心の底から驚いた。教育的要素を盛り込みつつ、しっかりと面白い映画に仕上げている「しまじろう」という作品の強さがよく出ている。

 

⑩「くまのアーネストおじさんとセレスティーヌ」

くまのアーネストおじさんとセレスティーヌ [DVD]
by カエレバ

 

売れない音楽家のクマと絵を書くのが大好きなネズミの交流を描くフランス産アニメーション

ネズミの住む地下世界では、地上に住むクマは天敵と教えられている。あるとき落ちこぼれネズミのセレスティーヌは、地上で歯医者の仕事に使うクマの歯を集めていたが失敗し、ゴミ箱の中に閉じ込められてしまう。それを見つけたのは音楽家であるクマのアーネストだった……。

水彩画のような柔らかなタッチにも関わらず、ジブリのアニメみたいな躍動感に満ちたドタバタ劇が繰り広げられるので最初見たときはビックリすると思う。特にアーネストとセレスティーヌが車を盗み、他のクマたちが運転を止めようとする動きと表情の豊かさは見たことがない表現の連続でとにかく面白い。

内気だったセレスティーヌが外の世界を知ることでどんどん行動力が出てきて、二匹とも自分たちのいた世界に反旗をひるがえす展開はスカッとする。第86回アカデミー賞長編アニメーション部門ノミネートも納得の一本。

 

終わりに

子供は成長が早いためベストのタイミングでおすすめのDVDをプレゼントするのはなかなか難しい。

けれど上記にあげた作品はトーマスとミッフィー以外はどの年齢層が見ても楽しいと思う。子供というのは残酷なもので自らにとって興味のないものをプレゼントすると容赦なく「えー」という顔をするが、自分のことを考えたとき、そうやってしぶしぶ見た作品が、そのあと何度も繰り返し見ることになったもののほうが多い。

だからDVDはプレゼントにピッタリなのである。

今回の記事が好評だったらパート2もいつかやる予定。

 

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