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2014年9月に見た本と映画

      2015/11/26

見た映画

★「リヴァイアサン」(シアターイメージフォーラム)
・「アンドレイ・ルブリョフ」(早稲田松竹)
・「僕の村は戦場だった」(早稲田松竹)
★「クスクス粒の秘密」(新文芸坐・大寺眞輔講義つき)
・「物語る私たち」(ユーロスペース)
・「ゼイ・リブ」(DVD・発掘良品)
・「遊星からの物体X」(DVD)
★「いまをいきる」(DVD)
★「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」(新宿バルト9)
・「最高殊勲夫人」(DVD)
・「胸騒ぎの恋人」(キネカ大森)
★「アデル・ブルーは熱い色」(キネカ大森)

 

 読んだ本

★『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』村上春樹(著)、新潮社
・『マジメとフマジメのあいだ』岡本喜八(著)、ちくま文庫、2011
・『世界の詩集 ネルーダ詩集』パブロ・ネルーダ(著)、角川書店、1972
・『現代思潮社という閃光』陶山幾朗(著)、現代思潮新社、2014
・『旅の賢人たちがつくった海外旅行最強ナビ』丸山ゴンザレス&世界トラベラー情報研究会(編)、辰巳出版、2013
★『挟み撃ち』後藤明生(著)、講談社文芸文庫
・『傷だらけの映画史』蓮實 重彦、 山田 宏一(著)中公文庫、2001
・『かんたん短歌の作り方』枡野 浩一(著)、ちくま文庫、2014
★『なぜ時代劇は滅びるのか』春日太一、新潮新書、2014
★『離陸』(絲山明子)絲山秋子、文藝春秋、2014 

 

 ・今月見た映画はすべて誰かに強く薦めたり語りたい作品ばかりだった。その中でも特にこれから何度も思い起こして何かの力とする作品に★をつけることに。

見た後の疲労度とその革新性という点で『リヴァイアサン』。

クスクス粒の秘密』は話すことによって作品が広がりを見せていく場を用意してくれた「新文芸坐シネマテーク」という試みと込みで。

詩を扱った映画として素晴らしい出来であり、なおかつ初めて自分がシナリオを作るとしたらこうやりたいと考え、終わりまでの物語の道筋が自分で作れた『いまをいきる』。

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』は完璧な作品であり、ただ「凄い凄い」と飲み屋で話した帰り、超映画批評であんまりな点数をつけられていたこと。そこに感想というものの難しさ、物語をどのように受け取ることかを考えさせられたという点で。

ようやく見れた『アデル・ブルーは熱い色』はきわどい描写ばかりクローズアップされがちだが、二人の人物が付き合ってぶつかることの普遍的で痛烈な痛みを与えてくれた今年の一本として。

・9月の読んだ本を眺めるとカルヴィーノなどが作る寓話というジャンルや、一つの物語が歴史や世界に徐々に絡まっていく構造、そして思弁的な作品。自分はやはりこういう作品が好きなんだというバイアスを実感する。だからこそ★をつけた作品に関してはいずれキチンと感想を書きたい。

『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』は読書会で取り上げ、いくつかの重要な論点が出てきたので書けるとして(人に影響を与えてしまう構造、批評家がよく言うような村上春樹の主人公は駄目。というのは違うんじゃないか、という方向性など)、『離陸』と『挟み撃ち』に関しては、どういう風に書いたらいいのかがまったくわからない。こういう小説こそ誰かと真剣に語ってまとめて書ける文章力(集中力)がほしい。
・今月は短歌とコンペ作品を含めてかなりの数の文章を書いたが、重要なことは何も手を付けてない気もする(このモヤモヤとした感じ)、短歌の作品が受賞し入賞式に呼ばれたけど、何かを作ったという実感が持てないまま、運転免許証という実利的な物体に努力の証が見える物体への快感を久しぶりに味わったそんな9月だった。
 

 - まとめ

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