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日本初の4DX専用映画にしてホラー作品『ボクソール★ライドショー恐怖の廃校脱出!』を体感してきた

   

上映時間25分の映画を見るために上映料金1300円以上のお金をかけてユナイテッドシネマ豊島園まで出向いた。

目的の作品は『ボクソール★ライドショー』というホラー映画だ。『コワすぎ』シリーズや『ある優しき殺人者の記録』で熱狂的なファンを増やし続けている白石晃士監督の最新作にして日本初の4DX専用の映画である

いやー

凄かった。

ボクソールライドショー

4DXが「ドルビーアトモス」や「IMAX」と大きく異なるのはそれが「体感」を重視する映画鑑賞スタイルということだ。

座席が動く、風は出る、水も出る、匂いもすると実にギミック満載で『マッド・マックス怒りのデス・ロード』や『スターウォーズEP7』といった作品と相性が抜群。最近じわじわと人気になっている。しかし対象となる映画はもともと4DX向けに作られているわけではないので、まだまだその特性を完全には生かしきれてないのが現状だ。

4DXの性能を作品の内容とあわせて最大限に使ってやろうではないかと試みたのが白石晃士である。 

本作のあらすじは、三人のアイドル(岡本夏美/渡辺恵伶奈/松本妃代)が廃校で行う肝試しの様子をカメラマンの田代(ご存じ白石監督)が撮影し、劇場生中継でお届けするというもの。しかし撮影の最中に突然謎のピエロが乱入し四人は学校の中に閉じ込められてしまう、そして次々と降りかかる恐ろしい出来事、はたして彼女たちは無事この呪われた廃校を脱出できるのだろうか……。

『コワすぎ』シリーズの暴力ディレクター・工藤(大迫茂生)が怪異を呼び寄せる謎のピエロを演じ、さらに連れ去られたアイドルの一人を助けようと怪異に立ち向かっていく女の子二人という「あの」白石監督の世界観へ自分達が4DXという装置を使って飛び越えていけると聞けばコワすぎファンはいますぐユナイテッドシネマに向かうだろう(この映画はユナイテッドシネマの協賛)

白石監督の作品を見たことのない人にこの体験を伝えることは難しい。

「凄い」としか言えないからだ。『ボクソール★ライドショー恐怖の廃校脱出!』は現代に蘇った見世物小屋といえる。小屋の中で何が起こったのか詳細を知ることなく、興味を持った人には小屋があるうちに是非とも「向こう側」を体感してほしい。

白石監督の作品は異界を覗き込んだものは無傷ではいられず、必ず何かしらかの代償を負うといった雰囲気に満ち溢れている。その傾向は最近の作品においてますます顕著となりニコニコ動画やtwitterといった同時代のツールを使うことで瘴気は見ている側、安全圏にいるはずの観客にまで波及し始めている。

そんなことを常に考えているサービス精神に満ち溢れた人に4DXというおもちゃ箱を渡してしまったのだから、25分間吐息は吐きかけられるわ怪異の匂いを感じられるわ、叫びと笑いと驚きの混ざり合った異界へトリップできる。映画館が明るくなったとき、眼鏡には「向こう側」へ行った証しともいえる水滴が付着していた。

ちなみに4DXはギミック重視のため通常だと料金が3000円ほどかかってしまう。

しかし本作は25分と短いながらも、1300円という価格で「4DXのほぼすべての性能を体感できる」

普段自分は「映画館で是非」と文章には書かない、読んでいる人の事情は様々だからだ。けれど現在11館と限られた上映館数の近くに住んでいながらも、よくわからないからと敬遠している人がいるとしたらあまりにもったいなさすぎると心の底から思った。

この最高の「おもちゃ箱」を見に行ける人は何が何でも映画館で体験してほしい。

そして見終わったら、都市伝説のように語り始めようではないか

「ねえボクソールライドショーって知ってる?」と

 

↓POVやファウンドフッテージといった「フェイクドキュメンタリー」の詳細な解説、傑作『ある優しき殺人者の記録』のシナリオ詳細とその撮影意図、巻末には撮り下ろしの短編DVD「白石晃士の世界征服宣言」まで付属している白石晃士監督の新刊。スゴすぎ

白石 晃士 誠文堂新光社 2016-01-07
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 - 映画評

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