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感想『映画ちびまる子ちゃん イタリアから来た少年』、ズバリ抜群の安定感でしょう!

      2015/12/28

アニメのほうをしばらく見てないので現在の「ちびまる子ちゃん」の雰囲気がわからなかったけれど冒頭に「おどるポンポコリン」が流れた瞬間「THE・安心」という感じで懐かしさと共に一気に心が和らいだ。

映画ちびまる子ちゃん ウォールステッカー A

あらすじ

ある日、まる子たちがいつものように教室で話をしていると花輪クンがある相談を持ちかけてきた。

その内容はいま世界各国から花輪家に交換留学生がやって来ているのだが、日本の文化を知るためには各家庭にホームステイをさせたいというもの。あらためて花輪クンの金持ちぶりに驚く一行は、10日間のホームステイという事実にしり込みしつつも、とりあえず花輪家での歓迎パーティーに参加することに。

お互いの自己紹介をしたあとパーティーは和気藹々と進行、そんななか何故かイタリアの留学生アンドレアは最初からまる子に興味津々、学級委員長の丸尾くんが是非私の家にという提案も

「まるおよりまるこです」と一蹴。

花輪家執事ひで爺の頼みもあって、アンドレアを受け入れる「さくら家」であった。

そして丸男のもとには、交換留学生が誰もやってこなかった。

(感想)ネタバレなし

「花輪クン」のもとに交換留学生が6人泊まっている。

そういう無茶な設定も大丈夫なぐらいナチュラルに頭のおかしい人物がわんさか登場するのが「ちびまる子ちゃん」だと久しぶりに思い出させてくれる映画だった。

まだテクノロジーがそこまで発達してない時代を舞台に、恋というにはまだ早い友情のような物語は心地よいノスタルジーを感じさせ、殺伐とした現実社会を忘れさせてくれた。

とにかく美味しそうに食事をするシーンが記憶に残る。

たくさんの天ぷらを家族が揃った食卓で食べたり、個性的な留学生たちとお好み焼きを食べたり、みんなでご飯を食べることの幸せといったテーマが通奏低音のように流れている。

個人的にはもう少し面倒くさい「ちびまる子ちゃん」を見たかったような気もするが、問答無用で見る人をホッとさせてくれる国民的アニメの久しぶりの映画化はちっちゃい子からお年寄りまで幅広く楽しめること間違いなし。ハマジとインド人留学生シンとの会話に小さい子は笑い、ともぞうのとぼけ具合に大人も笑い、最後はみんなが泣いていた。

終わった後に隣に座っていた子供が泣いてないよ!と強がっていた。
(ANIMEX1200-189)ちびまる子ちゃん MUSIC COLLECTION
(ANIMEX1200-189)ちびまる子ちゃん MUSIC COLLECTION

(感想)ネタバレあり

とても面倒くさいことをいうと、もうひとひねり欲しい。良くも悪くも摩擦がない映画なのだ。

「留学生」としてやってきたキャラクターたちは海外の文化というものを特に背負ってはいない、みんな日本に興味があり、日本が大好きなまま帰っていくので物語においてまる子たちは異文化を体験するわけではない。その点で言えばまる子が通っている学校の人々のほうがはるかに多様性に満ちている。

話を少し変えると、このあいだ「機関車トーマス」の新作映画を見ていたら、いつのまにか性格の悪い人物がいなくなっていて実に摩擦のない物語に仕上がっていた。

トーマスってこんなんだっけ?とベストセレクションを借りてみたらやはり過去の話は不愉快に感じるレベルの物語がたくさんあった。けれど物語としてはそちらのほうが面白かったのに、アマゾンのレビューは星ひとつ。そう語るのは性格の悪い人物が出てくるから子供の教育に良くないとの親御さんの弁。シリーズが長く続くと初期のヤバさは徐々に脱臭されていく。特に「子供向け」という名目で作られる作品はそうだ。

だから25周年を記念して作り上げられた「ちびまる子ちゃん」は野口さんが涙を見せ、藤木の気持ち悪さが薄くなり、まる子とアンドレアが一緒に祭りでいるところを永沢が見ても茶化さない展開となる。

1974年あたりの「素晴らしい人情に溢れた日本」で他者との衝突を起こさず、ご飯をみんなで食べる物語は見ていると安心感を与えてくれる。完全なノスタルジーは心地よい。しかしそれだけでは駄目なのだ。。

異文化と接するときに摩擦はかならず起きる。その摩擦を登場人物はどう捉えるかといったテーマを、いかように物語のなかへ忍び込ませるかの試行錯誤が「いま」重要なのではないだろうか。摩擦と和解(もしかしたら和解できないかもしれない)があればこそ帰る国が一人ずつ違うために、別れる時間が一人一人違うというこの映画の巧みな展開により説得力が増したはずだ。

「また絶対に日本に来ます」と留学生が語る言葉はその摩擦あってこそ輝くと思う。

 

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 - 映画評

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