入手困難だった名作アニメが『スヌーピーエミー賞コレクション』として発売！

2015/12/06 2016/12/12

現在日本で手軽にみられる「ピーナッツ」（スヌーピー）のアニメは1960年代や1970年代に作られた作品が多いです。

1980年代や1990年代に作られたアニメーションは過去に「スヌーピーベストコレクション」というＤＶＤに収録されていたものの現在は廃盤、さらにいくつかのアニメエピソードはVHSのみでしか見られない状況でした。

このたびそんな作品が「スヌーピーエミー賞コレクション」としてめでたくDVDリマスター化。シリーズ屈指の感動作「スヌーピーはお医者さんチャーリー・ブラウンなぜなんだい?」や、貴重な「ぼくたちのフランス旅行」といった名作エピソードを多数収録しています。

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タイトル通り11作品のうち、9作品がエミー賞ノミネート、2作品がエミー賞受賞というベスト盤です。

お話によって声が違うのは仕方ありませんが、８０年代と９０年代はよりスヌーピーの可愛さを押してきているエピソードが多いので、どのスヌーピー・アニメを見ようか迷っている人はこの一本から入門するといいかもしれません。

今回はどんな話が収録されているのか、見どころとともに紹介します。

Contents

1 「スヌーピーのスポーツ大会」（原題）YOU’RE THE GREATEST, CHARLIE BROWN
2 「スヌーピーのスケートレッスン」（原題）SHE’S A GOOD SKATE, CHARLIE BROWN
3 「スヌーピーのマジックショー」（原題）IT’S MAGIC, CHARLIE BROWN
4 「スヌーピー、あの子をさがして」（原題）SOMEDAY YOU’LL FIND HER, CHARLIE BROWM
5 「スヌーピーのサ・ヨ・ナ・ラ」（原題）IS THIS GOODBYE, CHARLIE BROWN?
6 「スヌーピーのサーカス」（原題）LIFE IS A CIRCUS, CHARLIE BROWN
7 「ぼくたちのフランス旅行」（原題）WHAT HAVE WE LEARNED, CHARLIE BROWN
8 「スヌーピーのフラッシュビーグル」（原題）IT’S FLASHBEAGLE, CHARLIE BROWN
9 「スヌーピー、結婚するの?」（原題）SNOOPY’S GETTING MARRIED, CHARLIE BROWN
10 「スヌーピーはお医者さんチャーリー・ブラウンなぜなんだい?」（原題） WHY, CHARLIE BROWN, WHY?
11 「スヌーピーのモトクロス大会」 YOU’RE A GOOD SPORT, CHARLIE BROWN(1975)

「スヌーピーのスポーツ大会」（原題）YOU’RE THE GREATEST, CHARLIE BROWN

1979年放送。誰もやりたがらないということで「10種競技」に参加させられることになった我らがチャーリ・ブラウン。ペパーミント・パティをコーチに加えて特訓をしますが、チャーリー・ブラウンの様子を見て不安になったパティは、マーシーも競技に参加させることに。出場者には前年度の優勝者や犬に似た謎の選手マスクド・マーベルもエントリーしておりスポーツ大会は波乱の予感。

・駄目駄目なチャーリー・ブラウンが土壇場で力強さを発揮し、運動が苦手なはずのマーシーも背面とびを華麗に決めるなど「ピーナッツ」のお約束と違う展開が面白い「スポーツ大会」。ラストには、一瞬だけ映る貴重なマーシーの素顔が！

「スヌーピーのスケートレッスン」（原題）SHE’S A GOOD SKATE, CHARLIE BROWN

1980年放送。近々開かれるスケート検定のために鬼コーチ・スヌーピーに特訓を頼んだペパーミント・パティ。早朝からの厳しい特訓に学校では寝てばかりいます。しかし近所の悪ガキが邪魔しに来ても、うまく滑れなくてもパティはあきらめません。なぜならスヌーピーがともに戦ってくれるからです。

そして検定の朝はやってきました。果たして彼女はうまく回転を成功させることが出来るのでしょうか。

・キャラクターたちが見せる氷上での演技に魅了される一本。あとは鬼コーチ・スヌーピーがなんだかんだ言ってパティのために衣装を作ってくれるあたり二人の息はピッタリ。ウッドストック好きはラストの展開が可愛すぎて狂喜乱舞するでしょう。

「スヌーピーのマジックショー」（原題）IT’S MAGIC, CHARLIE BROWN

1981年放送。いつも寝てばかりいるスヌーピーにチャーリー・ブラウンは「本でも読んできなよ」と図書館のカードを渡します。偶然本棚でマジックの本を見つけたスヌーピーはウッドストックを実験台に練習に次ぐ練習、特訓の成果もあり様々な魔術を覚えたスヌーピーはマジックショーを開催することにしました。

・マジックというより魔法使いスヌーピーがピーナッツのキャラクターたちに魔法をかけていく不思議なストーリー、なかでも一番の災難は我らがチャーリー・ブラウン、なんと透明人間にされてしまいます。その魔法の力で彼が決意するのがルーシーのボールを蹴ることというのがなんとも悲しい（笑）

「スヌーピー、あの子をさがして」（原題）SOMEDAY YOU’LL FIND HER, CHARLIE BROWM

1981年放送。テレビの中継で一瞬だけ映った女の子に一目ぼれしてしまったチャーリー・ブラウン。あの子と会いたいと無茶難題をライナスに突きつけ、二人はともにその女の子を探します。数々の苦労を乗り越え、ついに彼女に会うことが出来ましたが……？

・自分で動こうとせず全部ライナスにやらせるものだから、終わりに何が起こるのかなんとなくわかるチャーリー・ブラウンの恋愛エピソードの中でも屈指の非モテ話、泣けます。

「スヌーピーのサ・ヨ・ナ・ラ」（原題）IS THIS GOODBYE, CHARLIE BROWN?

1983年放送。ライナスが引っ越す！？ある日、突然その話を聞かされたチャーリー・ブラウンは茫然自失。

親の仕事の都合で、ヴァンペルト一家は遠い街へ引っ越すことに。それぞれがそれぞれの身支度を整えます。スヌーピーに精神分析スタンドをあげたルーシーは、シュローダーにも自分の写真をピアノの上において別れを告げます。

しかし、シュローダーはまたいつもの冗談だと真面目に取り合いませんでした。やがてお別れのときは来ます……。

・チャーリー・ブラウンにとってヴァンペルト一家がどれだけ大切かわかるアニメエピソード、個人的にはもうちょっと別れのあとの余韻が欲しいところ。だって…絶対戻ってくるのがわかってるから（笑）

「スヌーピーのサーカス」（原題）LIFE IS A CIRCUS, CHARLIE BROWN

1980年放送。エミー賞受賞作。

チャーリー・ブラウンの街にやってきたサーカスの看板犬に一目ぼれしたスヌーピーは、ふらふらとサーカスの一座についていってしまいます。ショックを受けるチャーリー・ブラウン、そんなことはどこ吹く風なスヌーピーは空中ブランコなどサーカスの難しい演目を次々と覚え、ヒューゴという名前でデビューするのでした。

・テイストとしては「スヌーピーのわるい夢」に近いかも、恋するあまり理不尽な目にあっても頑張る芸人の話にも見えます。失恋しても美味しい食事で失恋よさらば！とカラッとしているスヌーピーは格好良いです。

「ぼくたちのフランス旅行」（原題）WHAT HAVE WE LEARNED, CHARLIE BROWN

1983年放送。劇場版「スヌーピーとチャーリーブラウン、ヨーロッパの旅」の続きで、旅から帰ってきたチャーリ・ブラウンが妹サリーにアルバムをめくりながら後日談を聞かせるお話です。

フランス旅行で絶大な力を発揮したついに車が壊れてしまい海岸で野宿するチャーリー・ブラウンたち、朝ライナスは一人だけ起きて爆撃の音を幻視します。ここは第一次世界大戦の激戦区オマハビーチでした。その後も道を間違えながら歴史的な跡地を巡り、旅は続くのでした。

・エミー賞アニメコレクションの個人的目玉の一つ。日本未公開の劇場版４作目、それの続編という異様に文脈が高い作品。

ですが悲劇的な音楽が素晴らしい雰囲気を奏でる名作なので必見です。「WHAT HAVE WE LEARNED」（何を学んだんだろう？）とはライナスの台詞、自分たちの旅のことを指してもいますが、第二次世界大戦の激戦地のあとに第一次世界大戦に関連する場所を訪れたあとに口ずさむことから、第一次世界大戦のあとでまたも世界的な大戦を起こした人類は何を学んだのかとも受け取ることが出来ます。

劇場版「スヌーピーとチャーリーブラウン、ヨーロッパの旅」に関しては、この記事の中に書いています。

映画『I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE』の前におさらい劇場版スヌーピー

「スヌーピーのフラッシュビーグル」（原題）IT’S FLASHBEAGLE, CHARLIE BROWN

1984年放送。説明不要。スヌーピーがひたすらダンスに明け暮れるイケイケなアニメ。

原作でフラッシュビーグルが出てきたのは1983年、同年には映画「フラッシュダンス」が公開されていることからも完全に、この作品から着想を得た一発屋キャラ。ですが、アニメになってアゲアゲの音楽がついて夜通しクラブで踊りまくる姿で一躍人気変装キャラに（笑）

「スヌーピー、結婚するの?」（原題）SNOOPY’S GETTING MARRIED, CHARLIE BROWN

1985年放送。父親が留守にするというのでペパーミント・パティはスヌーピーに番犬を頼みます。しかし夜中に突然スヌーピーがいなくなる事態に、怒ったペパーミント・パティは代わりにチャーリ・ブラウンを夜通し家の前に立たせます。

次の日、帰ってきたスヌーピーはみんなに「結婚のお知らせ」を告げます。そう、あの夜スヌーピーは運命の犬と出会ったのでした。着実と進む結婚の準備、しかしスヌーピーは何故だかブルーな気分、チャーリー・ブラウンが励ますことで覚悟を決めたスヌーピーでしたが予想外の事態が……。

・マリッジブルーになるスヌーピーの独身男臭さが最高のエピソード、励ますチャーリー・ブラウンも良い味出してます。悲劇的結末ですが原作はより悲劇的です。

「スヌーピーはお医者さんチャーリー・ブラウンなぜなんだい?」（原題） WHY, CHARLIE BROWN, WHY?

1990年放送の注目作。

ある日、ジャニスが白血病にかかってしまうことを知らされる一同。ライナスとチャーリー・ブラウンは彼女のお見舞いに病院へ行き、そこで白血病について多くのことを学んでいきます。

・入院した彼女が語る癌治療のエピソードとその描き方が凄まじい『ピーナッツ』アニメの中でもかなり異色の作品です。世の中の不条理さに「なぜだいチャーリーブラウン、なぜなんだい」とつぶやくライナスの表情と四季の移り変わり、ラストシーンはどういう状況で臨んでも見るたびに泣いてしまいます。

「スヌーピーのモトクロス大会」 YOU’RE A GOOD SPORT, CHARLIE BROWN(1975)

1975年放送のエミー賞受賞作。

ペパーミント・パティが最近ハマっているというモトクロスに誘われたチャーリー・ブラウン、ボロボロの自転車しか買えなくても頑張って大会に備えます。しかし当日レース開始直後に大クラッシュ、はたしてチャーリー・ブラウンは無事ゴールすることは出来るのでしょうか……？

・スヌーピーとペパーミント・パティが盛り上げていく中、ひたすら地道に自転車をこぐチャーリー・ブラウンだから最後には結末が用意されていました。

初見の時は面白さがわからなかったのですが、何度も見るうちに納得しました、これはささやかなことが一番強いという実に「ピーナッツ」らしい作品なんだ、と。。

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