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で、動画配信サービスって結局どれがおすすめ?完全主観で比較したまとめ感想

      2016/12/03

ネットフリックス、アマゾンプライムビデオ、dTV・・・いま動画配信サイトは群雄割拠の様相を呈している。

どこが覇権を握るか、どういう戦略を練っているか、西田宗千佳『ネットフリックスの時代』(講談社現代新書)はコンテンツの数だけで語られがちな各起業の理念や経営方針を丹念に見ていくことで日本を舞台に繰り広げられている壮絶な戦いを一望できる優れた新書だった。

 

じゃあ、もっと素人目線で語ろうじゃないかというのが今回の記事。

 

ここ半年、主要な動画サイトを使ってわかったざっくり感想を大体3つに絞って書きます。

  • ①完全主観による感想
  • ②各種動画配信サイトの強み
  • ③一番スタンダードな料金体系での紹介

①に関して・・・動画配信サイトの記事は、興味を持った人がサイト内の広告から加入すると書いた人にお金がチャリンチャリンと入ってくる仕組みを使っていることも多いので、客観的を装っていても文字数を埋めるため無駄に詳しく書くか、必要以上に貶したりすることもあります。今回は誘導せず思いっきり主観で喋ります。

②に関して・・・動画配信サイトは、スポンサーではなくユーザーのニーズに合わせるという優れた特徴があります。ということでコンテンツの数が多いかどうかよりも(たとえばトム・クルーズの『ミッション・インポッシブル』はだいたいどこにでもある)どんな思想でコンテンツを揃えているかが重要なので、そこら辺なんとなくわかったことをぼんやり書きます。

③に関して・・・自分は出先や色んなデバイスで見てるので画質やスペックに関しては無視してます、4K対応とかいろいろありますが、金がないので知りません。というわけで、料金体系が複雑なものでも一番ベーシックな価格でのサービスを基準にしてます。

*情報は2015年11月時点のものです

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Hulu(フールー)

(公式サイト:http://www.hulu.jp/

(価格:月額933円(税抜)2週間の無料期間あり

色々と動画配信サイトを使った後に戻ってくると、バランスの良さが光ります。

日本テレビ傘下なので細田守「バケモノの子」を上映しているときに細田作品を一挙公開したり、映画公開にあわせて関連作品をいち早く特集してることが多いです(たとえばマッドマックスなど)

他の動画配信サイトが主要コンテンツにしているサンライズ作品(銀魂やガンダムなど)や特撮作品も月額料金のみで楽しむことが出来て海外ドラマの多さも魅力。「きょうの料理」のまとめやバラエティ番組の配信も多く家族で楽しむのに最適と言えます。

ただし新規に配信される作品情報は見やすいのですが、配信終了期間がわかりづらく、いつの間にか見られなくなっているケースが多々あります(劇場未公開映画など)、ほかの難点としては再生環境によっては動作が重い、検索と早送りの操作がやりづらいなど。

また同時視聴数が1つだけなので、複数デバイスで同時に見ることが出来ないのも痛いところ。

 

TSUTAYAディスカス

(公式サイト:http://movie-tsutaya.tsite.jp/netdvd/dvd/top.do

(値段:定額レンタル8+一部動画見放題で月額2417円(税抜)30日間の無料体験あり

TSUTAYAディスカスのサービス内容をざっくり言うと、最初に二枚レンタルDVDが送られてきて、それを郵便ポストに返却し、中継地点に届いたところで作成したリストの映画からまた二枚を発送されてくるという仕組みです。一番スタンダードな「宅配レンタル8」(税込2,014円/月)8本まで新作無料以降は旧作のみ借り放題というプラン。CDとブルーレイも対象です。

(「宅配レンタル8」の使い心地に関しては以前記事を書きました→「DVDは郵便ポストで返却!「TSUTAYAディスカス」が便利な5つの理由」)

そして、この「宅配レンタル8」に動画配信一部見放題(通常933円)をセットにすると全部で2417円(税抜)になります。

システムが解りづらい&価格が高いという難点がありますが、ディスカスはDVDにこだわるゆえに品数の多さが魅力。

特にTSUTAYAアプリの検索機能は、「ポーランド」と調べたらポーランド出身の監督の映画がずらっと並べてリストが作成しやすく、古いマイナーな作品を探している時など効力を発揮します。実際に物が送られてくるから見なきゃ!という効力はも強いです。

しかし、たとえば人気作や根強い有名な作品は全然来ない。あとDVD見る人じゃないと実店舗に比べて元がとれないなどの問題もあり、動画配信に関しても見放題のプランだけでは魅力的なコンテンツは少なくまだ駄目駄目です。ただし課金制の良いところもあって、毎月新作2本分のポイントが無料で送られてくるので、それを使って人気新作映画や新作アダルト動画などを見ることが出来ます(重要)

今後の展開としては実店舗がある分、動画配信に関しては動きが鈍いのではという予測。

 

U-NEXT

(公式サイト:video.unext.jp/

(値段:月額1,990円(税抜)一か月の無料期間あり

ネット上では有名ですが、周りに知っている人のあまりいない動画配信サイト。

動画見放題&人気作は課金というシステム。毎月1日に1,000円分のU-NEXTポイントがもらえます。このサービスが面白いのはそれを動画だけではなく、映画館の割引に使えたり人気漫画を読むのに使えたりもするところ。また多くの女性誌や「男の隠れ家」「WIRED」「東洋経済」「サイゾー」といった雑誌がデフォルトで読み放題なのも素敵です。

難点は見放題と課金が入り乱れているため、かなり動画を探しづらい。また見放題では珍しいことにアダルト動画もありますが、同じく探しづらいうえに課金しないとあんまり楽しめないラインナップ。

動画をガシガシ探したい人にとってU-NEXTはそのカオスさが魅力だと思います。TBSドラマの数が異常、アダルト動画オーケーのため日活ロマンポルノやVシネマも多数(黒沢清の「復讐」シリーズもあった)、またアニメに関しても古いマニアックな作品を無造作に置きました感がたまらないです。

ただしユーザーの対象を絞れておらず、ちょくちょく起こる再生の不具合も相まって動画配信サービスとして使いにくいのは確か。

(2015年11月6日追記)

*見放題で見ることの出来るアダルト動画のメニューがランキング順・新着順など非常にわかりやすくなってました。

 

バンダイチャンネル

(公式サイト:http://www.b-ch.com/

(値段:毎月1,080円(税込)で一部の作品を除いて見放題

アニメと特撮を存分に楽しみたい人向け動画配信サービス。

終了する作品も、これから入荷する作品も見やすく、放送年代別でアニメを検索できるのがめちゃくちゃ便利。

人気順や再生回数順のランキング、観た回数に応じての特典、作品数もあいまってアニメと特撮に関しては他の動画配信サービスの追随を許しません。約1000作品ほどが見放題で、いくつかの作品は課金するタイプですが、他社では課金するレベルの質の高い過去作も見放題で楽しむことが出来ます特にガンダムシリーズなど!

こないだニコニコ生放送『西田宗千佳が語る 動画ビジネス最前線』で述べられていましたが、「バンダイチャンネル」はアニメに特化してるが故にアクティブユーザーの数が異常に多いそうです。

 

ネットフリックス

(公式サイト:https://www.netflix.com/jp/

(値段:ベーシック(650円)スタンダード(950円)プレミアム(1450円)1か月の無料期間あり

プレミアム料金は4K画質対応、現状はまだ作品数が少ないためスタンダードで十分かと思います

使いやすさは群を抜いており徹底的にユーザー思考。色々な記事で言われているように本家アメリカに比べて作品数は少ないです。が、日本未公開の洋画、海外の良質なドキュメンタリーを取り揃え、コンテンツとしては最小限で最大限の効果を発揮しています。

情報感度の高い人向けの作品を揃え、少しずつコンテンツを追加してじっくりと会員数を増やす作戦らしいです。

新作の入荷情報はわかりづらいものの、動画再生を途中でやめた作品情報すらデータとしてストックしているレコメンデーション(おすすめ紹介機能)でそれはカバー。制作年が新しめの作品はスペイン語など英語以外の字幕選択も出来て語学の勉強にも適しています。

また大規模な予算を投じ「デアデビル」など独自コンテンツの作成もしているネットフリックスは日本においても『亜人』のアニメ化、又吉直樹原作『花火』の実写ドラマ化権取得していて、それらにも英語字幕を付記する予定とのこと。

ネットフリックスの戦略の的確さはウォッチしていて感嘆するとともに、毎回どんな作品が配信されるのか一番楽しみな動画配信サービスです。

関連記事:飯も食わずに一日中使い続けて実感した「ネットフリックス」5つの凄さ

 

dTV

(公式サイト:http://pc.video.dmkt-sp.jp/

(値段:月額500円(税抜)31日間の無料期間あり

新作ドラマや新作映画は別途課金する仕組みですが、月額500円でこんなに見ることが出来るのかと驚きます。

「妖怪ウォッチ」など子供向け作品を揃え、映画館で上映している作品の監督映画を配信するなど傾向としてHuluに似ていますが、こちらは韓国ドラマの数が群を抜いています。邦画や韓国ドラマなどをTSUTAYAで借りている人は気に入ると思うラインナップでした。

またdTV専用のバラエティ番組、例えば自分が好きな「狩野英孝の行くと死ぬかもしれない肝試し」もこのサービスと一部レンタルでしか見られないので貴重。

西田宗千佳『ネットフリックスの時代』(講談社現代新書)でも、ネットフリックス、Huluと並びかなりページ数を割いて説明していて、エイベックスがかなり力を入れていることがわかります。「Zアイランド」や「進撃の巨人」のスピンオフ作品など今後も映画に連動してオリジナルの作品を多数制作する予定とのこと。

いずれにしても放送中のアニメ見逃し配信も含めてのこの値段は凄い。

 

アマゾンプライムビデオ

(公式サイト:www.amazon.co.jp/prime/

(値段:年会費 3,900 円(税込)30日間の無料体験

一月に換算すると約325円。

圧倒的に安いので、何か別の動画配信サービスに入りつつサブとして使うのがいいかも。

作品の数を見るなら現状はあくまでプライム会員への誘導(お急ぎ便無料、毎月対象のキンドル本一冊無料、会員限定のセールなどの特典)といった感じは否めませんが、個人的には「ナポレオンダイナマイト」「26世紀青年」「21ジャンプストリート」といった未公開映画を揃えており、KADOKAWAとも提携しているのか勝新太郎の出演作や増村保造作品多数なのが嬉しいです。

「トゥルーロマンス」「ザ・フライ」といった名作もあることからTSUTAYAで旧作の洋画を借りるタイプの人なんかは絶対気に入ると思います。レイアウトはよく目にするアマゾンのサイトそのままのため、最近プライムに追加された作品も把握しやすく評価も5つ星基準なのでわかりやすいです。

アマゾンには豊富な顧客データが存在し、さらにネットフリックスと同様に今後独自コンテンツを続々と制作していくとのことなので目が離せない動画配信サービスの一角となっています。

 

まとめ

群雄割拠の動画配信サービス・・・。

どれに入るかと言われたら、自分の好みではアマゾンプライムネットフリックスです。

暇があるときはツタヤディスカスを解放して記事を書いたり。U-NEXTのカオスさを楽しむ感じですかね。家族は韓国ドラマが見たいのでdTVがいいと言ってました。

だいたいどの動画配信サイトも無料期間があるので、この記事を参考にして色々と試してみてください(解約忘れに気を付けて!)

そして伏兵・・・「ゲオチャンネル」

実は動画配信サービスで伏兵と呼ばれているのが、2016年2月からサービス開始予定の「ゲオチャンネル」

dTVに引き続きエイベックスが出資するこのサービスの全容は、まだ詳しくはわかりませんが、

月額590円(税別)で動画80000タイトル見放題&アダルト動画50作品を定額で公開(毎月10本更新)という情報。

この値段でアダルトありは驚異的です、さらに専用アプリをダウンロードすることで様々なデバイスで再生可能とのこと。お父さんが安さで家族を説得して、目的は別にあるなんて入会が増えそうな予感(笑)他にも店舗と連動したDVDを大量に安く借りられるオプションも用意するようです。

他にもGyao、ぽすれん、各種テレビ局のオンデマンド、dアニメストア、DMMレンタル、ビデオパス、楽天showtimeなどのサービスがありますが、今回はそこまで手が回りませんでした。ここからなにか面白い動きがあり次第また記事を書いていくつもりです

動画配信サイト、テレビで見るには?

動画配信サービスの乱立が影響して、家電製品も対応に追われています。

それぞれの会社でどの動画配信サービスを実装するかなどバラバラですが、

自分は4200円(税別)「クロームキャスト」を使って、上に挙げた動画配信サービス&YouTubeやニコニコ動画などをテレビで見ていました。

「クロームキャスト」をテレビに接続し、一度スマホやパソコンから設定するだけで、あとはニコニコ動画やネットフリックスの映像を見ているデバイスから簡単にテレビへ飛ばすことが出来ます。

s_クロームキャスト

クロームキャストをブラウザで使う際の参考画像(右上クリックのみ)

ただHuluなどほとんどのアプリが対応している中、アマゾンプライムビデオのアプリはクロームキャストに対応していませんでした。

ですが、10月28日からこれらの面倒臭さをすべてとっぱらった恐ろしいものが発売されました。

それが「アマゾンFire TV Stick」です。

これの恐ろしさは、テレビに接続したらwifi設定するだけで、ほとんどすべての動画配信サービスが素早く楽にテレビで楽しめちゃうこと。なので、友達の家やホテルなどでもこれを持ち歩けば簡単に自分のアカウントで動画を見ることが出来ます。

高画質・4K液晶対応のハイスペックバージョン(12980円)もあり、これでメーカーがどの動画配信サービスに力を入れているかなどもあまり気にする必要がなくなったと思います。高画質の動画配信サービスをこれに経由させて良い液晶で映せば良いわけです。

そしてクロームキャストの弱点として転送してから動画再生までに若干のタイムラグがあります。けれど「Fire TV Stick」だとそれも改善されています。それもそのはず公式の商品説明が、完全にクロームキャストに喧嘩を売っているからです。

「サクサク動くインターフェースから検索結果まで、Fire TV Stickはすべてが素早く滑らか。その秘密はFire TV Stickが搭載しているパワフルなデュアルコアプロセッサと専用のVideoCore4 GPU、そしてChromecastの4倍の大容量8GBストレージ。ストレスなくコンテンツをお楽しみください」(Amazonの商品説明より)

この「Fire TV Stick」に関してはいずれ詳しいレビューを書くつもりです。

書きました!「Amazon Fire TV Stick」リモコンひとつで自由自在に動画を楽しめる性能にのけぞる

 

【関連記事】

 - まとめ ,

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