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12月雑誌BRUTUS「何しろ映画好きなもので。」が重すぎず軽すぎず記憶に残る

      2015/12/02

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ティムバートンが表紙の2014年12月1日発売の雑誌「BRUTUS」、様々な映画の見方について総勢54人が映画についてあーだこーだと語っているのだけどこれがめっぽう面白かった。ここ最近の映画雑誌以外の雑誌による映画特集で一番良かったと個人的には思う(流石年末)

 

映画を普通に見に行く人は新作映画の情報や信頼できる批評家の話が当たり前に入ってくるのでここに特集されている試みを知っている人はたぶん多い。けど、それがまとまって書かれていること、現在映画に携わっている人が各種ページに配置されるという面白さが雑誌の醍醐味であり、年末に向けて「どんな映画見ようかな」と信頼できる人を探したいという意味でも確実に使える入門書となっています。

 

たとえば東京近郊で上映される名画座情報をすべて一覧にしたフリーペーパー「名画座かんぺ」を毎月発行する狂気の仕事を続けている褒め言葉、いつも名画座めぐりでお世話になってます「のむみち」さん、アートディレクターの太田和彦、『ここは退屈迎えに来て』が話題になった小説家山内マリコによる名画座トークはマニアックだけど全特集中一番の熱量を誇っているので、ここから名画座に行こうという人も出てくるはず。

 

それ以外にも総勢54人もの人が語っているので自分が不慣れなジャンルから「こうした視点があったのか!」と驚かされること必須。自分に関しては「クルマ」と「サントラ」と言うテーマで語る映画の見方が面白かった。小道具とか美術も作品の重要な要素なので、どういう風に映画で使われているかというその道の人が教えてくれるのは嬉しい。(映画『エリジウム』で地球の住人が乗っている車が「日産GT-R」だったり)

 

もちろん映画ファンには、監督・園子温と女優・神楽坂恵の夫婦映画話とか(「出会った頃、私も『スカーフェイス』の銃撃戦をよく見させられた(笑)」など)、キム・ギドグと二階堂ふみの対談(最後の方で映画出演のオファーが決まるw)も興味を持つはず。「映画選びに役立つレビューを探せ」ということで「映画宣伝マン70人が教える間違いのないレビュー案内」も赤裸々だし映画『グランド・ブダペスト・ホテル』の各紙誌に掲載されたレビュー読み比べも良い企画だった。映画雑誌のように「企画」がドン!という感じではなく、重すぎず軽すぎず、でも見た後にはどんな企画があったのかを思い出せる、「BRUTUS」最新号はそんな感じの特集でした。

 

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