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「まだまだ映画を見続けます」『前田敦子の映画手帖』刊行記念トークショー(暫定まとめ)

      2015/11/27

朝日新聞出版刊行『前田敦子の映画手帖』の刊行記念トークショーに当選したので、6月22日(月)「恵比寿ガーデンシネマ」へ。

 

(※ノートにまとめたのをもとに印象に残った発言を書いているので注意してますがミスがあったら自分の責任です)AERA主催ということで、おそらく後日トークショーの完全版が雑誌に掲載されると思います。


 

聞き手:石飛 徳樹(朝日新聞映画記者)

 
 

「前田敦子の映画手帖」というタイトルについて

【聞き手】
さっそく刊行記念トークショーということで本の話から。2013年5月から『AERA』で約二年の連載。当初は「前田敦子のat試写室」という題で途中から「前田敦子の映画手帖」となって、本自体もかなり加筆されてますよね?

【前田敦子】
 ジャンルで分けて加筆して、ここに載ってないのもあって選抜するのが難しかったです。映画手帖に変わった理由は、なんだろう・・・。案を出しあってシンプルにして、サイズ的にも持ち運びしやすく名前も軽くしませんかという感じでなりましたね。 

【聞き手】
 フランスに「カイエ・デュ・シネマ」という雑誌があって訳すと映画手帳という感じなんですよね。前田さんも本のなかでゴダールとかトリュフォーの話を書かれてますよね 

【前田敦子】
可愛いんですよね。ゴダールさんとかもアンナ・カリーナさんが特に、女子が画面を追いたくなる、映画を知らなくても可愛いって言ってくれる人が多くておすすめしやすいんです。

【聞き手】
 そうなんですよ(笑)

【前田敦子】
そうなんですよ!とっつきにくいのかと思うかもしれないけどカワイイんですよ。

 

本書について

 

【前田敦子】
こんな言葉足らずでいいのかなと思ったんですけど、(映画を)見る人に先入観をなしで見てもらいたくて。そういう評とかを書く立ち位置でもないですし、映画が好きなのでそれが伝わればという気持ちで、どんどん削ぎ落としていってシンプルに、シンプルに書きました。

【聞き手】
映画ってそういうもんですよね。人それぞれでいいじゃん、という。 

【前田敦子】
そう。可愛いのは事実だから、誰が見ても可愛いものは可愛い!ということを書きました。

【聞き手】
本には栞がありますけど(注:本に付録として付いている三種類の名言しおり)ゴダールの『女は女である』もありますね。

女は女である [DVD]
女は女である [DVD]

 

【前田敦子】

「怒る男は誰もいない。それは私がとってもきれいだから。」

もうこの人が言えばしょうがない!男の人の前でもこういうの言えるぐらい強気でいたいですね(笑) 

【聞き手】
いま、めちゃくちゃドキドキしちゃいました(笑)

 

映画『思い出のマーニー』と『ライフ・イズ・ビューティフル』

【聞き手】
他には『エデンの東』のジェームズ・ディーンと『晩春』の原節子とバラエティに富んでますけど、他にも入れたいのあったんですか?

【前田敦子】
あれですね。『思い出のマーニー』の「私は、私が嫌い」

 

【聞き手】
マーニーいいですよねえ・・・。 

【前田敦子】
ですよねえ!泣きましたか?

【聞き手】
泣きますよ!

【前田敦子】
泣きますよね!!意外と見てない人が多くて

【聞き手】
女性二人の友情物語かと思っていたら・・・ 

【前田敦子】
わー、えー、なんでーという風な展開になって、わたしジブリのなかでもかなり上位で好きな作品です。

【聞き手】
他には『ライフイズビューティフル』も。あれも凄く良い映画ですよね。 

【前田敦子】
号泣です。初めはどんな話か知らないで手にとって、最初は家族のほんわかした話じゃないですか、それが一人で見てて何だこれはって。

【聞き手】
普通の人が収容所に入れられて、でもお父さんが子供にこれはゲームなんだと信じさせる。

【前田敦子】
子供が夢を持ったまま物語が終わるというのが私は好きです。

 

(中略)

 

 

会場からの質問(抜粋)

 

AERA編集部
「はい。聞き手の人の甘い時間は終わりということで(笑)ここからは時間の許す限り会場の質問を。」

 

Q、元気が出るコメディ映画を教えてください

【前田敦子】
うーん、一緒に考えてください(笑)でもこの本にも書いた『なんちゃって家族』ですね。

【聞き手】
見てないんですよ。僕は『ブルース・ブラザーズ』ですね。

【前田敦子】
見てない。どんな話なんですか?

【聞き手】
刑務所から出所したスーツ姿の男たちが、歌って踊って・・・という、絶対前田さん好きですよ。

【前田敦子】
 えー、それは絶対面白そう。じゃあこの二本で。

 

 

Q、今まで見た映画の、どの女優さんの、どのシーンが一番印象に残ってますか。

【前田敦子】
難しいなあ。

【AERA編集部】
「そこでヒントを出すのが映画記者でしょう」

【聞き手】
「すいませんw」

【前田敦子】
モノクロの映画が好きで、原節子さんの『東京物語』の相づちが特に好きです。「いーえー」って言い回しなんですけど、もうあんまり言わないですよね。小津さんの作品は好きです。

 

Q、雨の日にお家でゆっくり見る映画でオススメなのは?

【前田敦子】
なんでしょう、『雨に唄えば』はゆっくりじゃないしなあ(笑)

【聞き手】
しっとり見るなら、『もらとりあむタマ子』とか、

【前田敦子】
わ、ありがとうございます(笑)でもそっちじゃなさそう。

【聞き手】
トリュフォーとかどうでしょう。

【前田敦子】
いいですね。

【聞き手】
エリック・ロメールとかは前田さん見てないですか?

【前田敦子】
見てないです。

【聞き手】
緑の光線』とか『ポーリーヌの恋人』とかがあるんですけど。

【前田敦子】
(内容を聞いて)それにしましょう。見てみたい!

 

 

Q、今までで一番泣いた映画はなんですか

【前田敦子】
 『ライフ・イズ・ビューティフル』はすーーーーーっごく泣けました。最近だとアニメで『おおかみこどもの雨と雪』、あれも凄い泣きました。

 

 

最後に

【前田敦子】
この本はたくさんの人に見てもらえて、色んな監督の方もこんなにシンプルで楽しいのはないと言ってくれて本当に嬉しかった、もしいけるんだったらまたやりたい(笑)私もまだまだ映画を見続けます!

【AERA編集部】
 AERA編集部にプレッシャーが(笑)。第二弾をお楽しみにということですね

 


感想

というわけでトークショー暫定まとめでした。

他にも山下監督やダーレン・アロノフスキー監督とのお話、映画『イニシエーション・ラブ』を演じてどう思ったか、などはめちゃくちゃ興味深かったんですがちょっとネタバレになりそうなのと、全部書いちゃ駄目!という自制心が働いたので特に印象に残ったことだけをまとめました。

ニュアンスが伝わりづらかった部分もあると思うので興味を持った方は是非いつか掲載されるであろうフルバージョン(おそらく雑誌『AERA』)を!

体調不良でなおかつ会場に早めに着いたにもかかわらず当日家にチケットを忘れてしまい、交通費が倍かかるというハプニングがありましたが、トークショーは終始、柔らかな雰囲気に包まれていてホント癒されました。 

(『前田敦子の映画手帖』についての感想記事はこちら

 

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