【書評】『映画は中国を目指す』(洋泉社・中根研一)
2015/11/26
「アイアンマン3」「ダークナイトライジング」「パシフィック・リム」・・・近年のハリウッドの超大作映画には一つの傾向がある。
それは作中に現れる中国要素だ。
時に物語のなかで必然性もなく挿入されるエピソードもあるので、気づいている人も多いかもしれない。ハリウッド映画は今や明確に超大国・中国のまなざしを意識して作品を作っている。
このたび洋泉社から出版された中根研一著『映画は中国を目指す~中国映画ビジネス最前線~』は現在の中国がどのような映画を受容しているのか?といったことを歴史的な経緯とともに説明し、その文脈において、この超大国に外国映画はどう組み込めるかの方策を具体的に語っている画期的な本だ。
洋泉社
売り上げランキング: 44607
【関連記事】
関連記事
-
-
【私的印象批評】底を求める/書くことの業『赤目四十八瀧心中未遂』(車谷長吉、文春文庫)
車谷長吉の直木賞受賞作『赤目四十八瀧心中未遂』は、主人公である「私」が数年前に地 …
-
-
【書評】言葉以外を武器として『フィログラフィックス 哲学をデザインする』(ジェニス・カレーラス・フィルムアート社)
フィルムアート社から4月に出版されたジェニス・カレーラス著『フィログラフィックス …
-
-
ハルキストたちの本気『さんぽで感じる村上春樹』書評
村上春樹についての書籍は多くある。文学的、社会学的な立場からの学術的な書籍も多い …
-
-
初めてスヌーピーの漫画を読むなら『スヌーピーコミックセレクション』(角川文庫)がおすすめ
今年は漫画、本・カフェ・アニメ・グッズなどありとあらゆるところでスヌーピーが流行 …
-
-
嗚呼、ややこしきハラールよ『ハラールマーケット最前線』(佐々木良昭)書評
(内容が厄介なだけに長文です。すまん) Contents1 バンコクで出会った「 …
-
-
新作STARWARSに備えるためには河原一久のスター・ウォーズ本が良いぞ
2015年はスター・ウォーズの新作が公開されるということもあって世界中で盛り上が …
-
-
懐かしいが懐かしいが懐かしい『念力ろまん (現代歌人シリーズ) 』(笹公人・書肆侃侃房)感想
たまたま手に取ってグイと魅了されたこの笹公人の『念力ろまん』は、ただ単純に短歌を …
-
-
いま「犬マユゲでいこう」を読むと。
書店をブラブラしていたら、見たことのあるタイトルが。 石塚2祐子『犬マユゲでいこ …
-
-
~禁忌への想像力~柳田国男『禁忌習俗事典 タブーの民俗学手帳』(河出書房新社)評
タイトルにつられて購入。「禁忌」と聞いて右目が疼く。 しかし事前に想像していたそ …
-
-
名作+怪獣+ウルトラマン=「ウルトラかいじゅう絵本」のカオスな物語たち
ウルトラマン×絵本といえば思い出すのは、子育てに奮闘するウルトラマンやバルタン星 …