映画「クレヨンしんちゃん バカうまっ!B級グルメサバイバル」 感想
2015/11/26
明日から、いよいよ「クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん」が映画館で上映されます。
クレヨンしんちゃんの映画はもはや誰もが名作だと考えるようになったとは思うけれど、しかし最近は少しパワーが落ちてきたとお考えの人も多いはず。
ならば、去年公開したこの「バカうまっ!B級グルメサバイバル」を見ましょう。
これを見たため、自分は初日にクレヨンしんちゃんの最新作を映画館で!と思ったわけです。
あらすじ
春日部で行われているB級グルメカーニバルが悪の組織「A級グルメ機構」に襲われた。
親たちに内緒でこっそりとカーニバルの会場に向かおうとしていたカスカベボーイズは、謎の女から壺入りのソースを託される。
それこそがB級グルメメンバーたちの切り札である「伝説のソース」だった・・・。
感想
この映画の面白さは一言で言えば動きのハチャメチャ感。
昔のクレヨンしんちゃんの映画を見てるかのようなパワーを感じました。よくわからないけど笑っちゃう笑いもいくつもあって、それが嬉しい。
あとはテーマが効いてる。公開当時は「B級?、B級食品とコラボ?なんか微妙かも」とか思ってた自分がまさしく本作の敵役そっくり。
つまり、A級グルメ機構は上流なものしか認めないという「B級食わず嫌い」。
とりあえず食べればいいのに食べる前からバイアスかけて食べない、あれ・・・これって映画鑑賞とか、そもそもクレヨンしんちゃんに対する批判とかにも敷衍できるかも・・・とか色々考えてるうちにA級グルメ機構はカスカベボーイズにトリュフとか食べさせるわけです。
でもしんのすけ達には味がよくわからない。
はやくB級喰わせろ!!というシンプルな反応は「嵐を呼ぶ!栄光のヤキニクロード」の焼肉食べたいんだ!メソッドに似てて痛快。
映画の一番の見どころは、終盤敵の基地からカスカベボーイズが脱出するシーン。
たぶんここら辺りを描いているのはアニメ『四畳半神話体系』(今だと「ピンポン」)の湯浅政明監督だと思いますが、この構図のダイナミックスさはひたすら爽快でため息が出るような「動き」の連続に、おそらく映画が終わった後、巻き戻してこの場面だけをリピートした人続出だったと思います。
そんな名場面が見られる『クレヨンしんちゃん バカうまっ!B級グルメサバイバル』お勧めです。
クレヨンしんちゃん映画最新作「クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん」
映画最新作はクレヨンしんちゃんと関わりが深いけれど監督は初の高橋渉、脚本がグレンラガンの中島かずき、そしてウィキペディアによると音楽は『嵐を呼ぶ!夕陽のカスカベボーイズ』以来10年ぶりの宮崎慎二という布陣。
これはちょっと期待しちゃいますな!いつの間にか日付は19日。本日公開!
バンダイビジュアル
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