「セガール劇場」番組欄に溢れるテレビ東京スタッフのセガール愛
2015/12/02
以前に比べて外出の機会が少なくなった結果、体力が落ち近頃は風邪を引くことが多くなった。
2015年2月11日も週末の大量飲酒がたたって、ぶっ倒れる。
「いったい俺は何をやっているのだ」と、39度の熱で何も出来ず布団で呻いていた時たまたまテレビ東京で「セガール劇場」という番組が放送していた。ちょっと体型が横に伸びたとはいえ、画面を縦横無尽に駆け巡り(いや、今考えるとそんな動いてないかもしれぬ)敵をバッタバッタと倒していくセガールの姿と我が身を対比してなんだか枕が涙で濡れた。
ストーリーはたぶん熱のせいかまったく理解できなかったので録画する際の番組説明を見ることに。
そして映しされた文字の数々、一瞬、何が起きているのか分からなかった。
Contents
セガール劇場のヤバさ
(;゚д゚)な、長え・・・!
そう、番組説明が異様に長いのである。
というか主観混じりなのである。
ちなみに「セガール劇場」とは原題を『TRUE JUSTICE』という
製作
脚本
主演
すべてをスティーヴン・セガールが兼ねたテレビドラマである。
それをテレビ東京がなぜかタイトルに「沈黙」と名付けて一話ずつお昼から放送している。
そして、その番組説明に日替わりの余事録が毎回掲載されているのだが・・・。自分が熱にうなされながら見たのは以下。
¶余事録(22) 本日名場面
セガール:俺はお前たちみたいな腰抜け野郎は殴らない…横っ面をひっぱ叩くだけだ
悪党1:≪やられ ME:ビシッ!バシッ!≫
セガール:いいな!
悪党2:≪やられ ME:ビシッ!バシッ!≫
悪党1:≪やられ≫ああ…うぅう [セガール:悪党を急所蹴り]
[セガール:何回も放り投げる]
[悪党:悲鳴も出ずに沈黙]
・
・
・
ナニコレ?
再び熱にうなされながら、その「セガール劇場」について調べていくと恐ろしいことに第一話からこんな調子らしい。他にも今回の事件の概要やテロップも狂っていた素晴らしかったのだが、余事録があまりに素晴らしかった。
今回全26話のなかから特にヤバい余事録だけ抜き出してBEST5の紹介。
本文そのままの引用です、繰り返します。
番組概要、そのままの引用です。
第5位 「(1)沈黙の宿命」
¶余事録(1)
セガールの、セガールによる、セガールのための海外ドラマ!
これでもかと大人気アクションスターであるスティーブン・セガールのアクションを堪能できる作品です。セガールらしさが画面にあふれ、期待や予想を裏切る展開は皆無です。
鉄拳制裁→悪党反撃→鉄拳制裁→美女タイムが定型です。一方で映画と違って海外ドラマならではの「設定の連続」もあります。全26話お楽しみに!
→記念すべき第一話、最初から飛ばしています。凄まじいまでのセガール押しです。
第4位 「(11)沈黙の神拳」
¶余事録(11) テレビ東京の本気度(2)
「S・セガール劇場」の一部のエピソードは日本で2話ずつ再編集され映画として劇場公開されました。
一度映画として公開された履歴がある以上、オリジナルのドラマに戻すのには障害があったのかもしれません。テレビ東京の熱心な交渉の末、ここにオリジナルのドラマを日本に紹介することができました。2年越しの契約交渉でした。セガールへのテレビ東京の熱い思いが通じたのでしょうか。
→セガールへのテレビ東京の愛、思い起こされるのは木曜洋画劇場での溢れんばかりのセガール愛です、何かに熱中することが時代を超えて伝わっていくこと、そしてその強さが文面から溢れ出てます。
第3位 「(17)沈黙の武器商人と囚われの美女」
¶余事録(17)
セガール告白。テレビ東京内を歩いていると「オレ実は見ているよ」「こっそり見てる」などとささやかれます。エレベーターで「意外と見れるよ」「つい見ちゃった」。一様に、実は・こっそり・意外と・つい等の留保が付きます。
皆さん、はっきり言いましょうよ!「セガール劇場が面白い」「天下無敵のセガール拳が爽快だ」と。「刑事ニコの時から好きだ」とはっきり賛辞をくれたのは木曜洋画担当経験もある映画部OBぐらいです。
→と思ったら出ちゃったよ、木曜洋画劇場出ちゃったよ!
なんだよ、この楽しそうな職場。それと、セガール告白って何だよ・・・!
第2位 「(15)沈黙の団結」
¶余事録(15)
「沈黙の団結」はサブタイトル決定が最も難航した回です。全体会議のあと、広報担当者とディレクター、プロデューサーでさらに居残り会議を重ねました。セガールの新たなチーム結成の要素を重視して決めました。いったん「沈黙の団塊」で決まりかけたものの、類似書籍名があったため白紙に戻りました。メモが残っている案だけでも32案(瞬時に没の案もありました)。きょうの番組情報の末尾項目9番目にあるのはその一端です。
¶沈黙会議
今回の没ネタは、沈黙の新人・沈黙の精鋭・沈黙の同志・沈黙の集結・沈黙の結集・沈黙の結成・沈黙の仲間・沈黙の友人・沈黙の信頼・沈黙の結束・沈黙の人間・沈黙の正拳・沈黙の道義・沈黙の道徳・沈黙の職務・沈黙の責務・沈黙の任務・沈黙の討拳・沈黙の闘拳・沈黙の骨太・沈黙の征伐・沈黙の復仇・沈黙の退治。並べて見ると大体の話の内容が分かります。新チーム結成→宿敵への復讐がテーマです。
→楽しそうな職場、しかしその楽しさは日々の本気度と表裏一体、居残り会議、32の没案・・・セガール劇場の本気度が分かる舞台裏を収録した貴重な番組欄。
第1位 S・セガール劇場最終回「(26)沈黙の最終決戦」
¶余事録(26)
セガール=源氏物語論。セガール作品を見ていると源氏物語との共通性を感じます。あえて脚本に書かない・映像に描かない奥ゆかしさがあります。きょうのサラが旧上司に「お前も警察を辞めた人間だろう」と言われるのもそう。これまでの話でサラが警察を辞めるくだりなどなかったのですから(もちろんテレビ東京の編集ミスではありません。ノーカット放送です)。行間を埋める作業、想像を働かせる作業が日本人は大好きなのです
【一話完結】さよならセガール!また会う日まで。最後の瞬殺拳!国境越えの超長距離射撃!セガール隊長の涙の最終指令を聞け!沈黙シリーズついに最終回【日本初放送】
¶沈黙会議
こっそり4回目。編集作業の一幕…。
セガール専従D(午後ロードから本作品のためだけに抜擢):最終回尺余っていますね。「セガール劇場 END」みたいなシメ画面でも入れておきます?
海外ドラマ専従P:愛のない提案に沈黙。セガールの戦いは終わっていません。
D:大変失礼しました。セガール隊長の最終指令の意味をはき違えていました。
→第一位は最終回、なぜセガールの作品が日本で(テレビ東京で)受け入れられるのかという問いに対する一つの答えが出たと言えるのではないでしょうか、セガール作品=源氏物語論。あえて書かないことによって想像力をかきたてるセガールの魅力。セガールが再び帰ってくることを予告しつつ、一か月半におよぶ「セガール劇場」はここに堂々の完結を迎えるのであった・・・。
*番外編 S・セガール劇場「(25)沈黙の魂」より
¶余事録(25)
セガールのネタは尽きません。本欄は2012年7月に「ロイヤル・ペインズ~救命医ハンク~」の番組情報に「今日のお騒がせ」と日替わりで出演者のこぼれ話を書き始めたのが最初です。「刑事ドラマLAW&ORDER:LA」の時に「余事記載」と名を改め作品の裏話などを拡充。「クローザー」から「余事録」になりました。日替わり記事を4年も続けているとネタが足りなくなるものですが、セガールは別。ありすぎてプロデューサーも困ります。
この記事を書くためにセガールについて調べていたらいつの間にか熱も下がっていた。これもたぶん「セガール劇場」のおかげだ。セガールが頑張っている、じゃあ俺も頑張らなきゃ、ありがとうセガール。ありがとうテレビ東京。
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