2014年10月に見た本と映画
2015/11/09
見た映画
・『パラダイム』(家・DVD)
・『ミンヨン倍音の法則』(シネマート六本木試写)
・『捜査官X』(家・DVD
★『賭博師ボブ』(家・DVD)
・『殺しの烙印』(家・DVD)
★『三里塚の夏』(書籍・DVD)
・『他人の顔』(at新文芸坐)
★『砂の女』(at新文芸坐)
★『バルタサル-ウシュカ-凍りついた時』(立教大学エクアドル映画シンポジウム)
★『たまこラブストーリー』(家・DVD)
・『ねこぢる草』(家・DVD)
・『王朝の陰謀 判事ディーと人体発火事件』(家・DVD)
・『アウトサイダー』(家・DVD)
★『卍』(at新文芸坐)
・『刺青』(at新文芸坐)
・『ブライトスターいちばん美しい恋』(家・DVD)
★『ジャージーボーイズ』(atイオンシネマ新百合ヶ丘)
・『関の弥太っぺ』(at新文芸坐)
・『沓掛時次郎 遊侠一匹』(at新文芸坐)
・『祇園の暗殺者』(at新文芸坐)
★『子連れ狼 三途の川の乳母車』(at新文芸坐)
・『シャトーブリアンからの手紙』(シネマート六本木試写)
・『TOKYO TRIBE』(at渋谷TOEI)
★『収容病棟(前篇)』(atキネカ大森)
・『収容病棟(後編)』(atキネカ大森)
★『忍者狩り』(at新文芸坐)
・『十兵衛暗殺剣』(at新文芸坐)
→記憶に残った映画は『三里塚の夏』、書籍とセットなので当時の状況を説明しながら映像を読み解いていく構成は非常に勉強になる。権力機構の末端は自らを責任主体から外し非人間的な行為が出来てしてしまう怖さを改めて思い出させてくれる。特に最初は女性たちの抗議に困ったなあ、みたいな反応をしていた機動隊が徐々に無表情になっていく描写は本当に恐ろしい。
→春日太一の影響で時代劇に俄然興味が出てきた一か月だった。
新文芸坐で見た中で時代劇の固定観念を一番崩してくれたのが『子連れ狼 三途の川の乳母車』、とにかくなんでもありなのに漫画的な表現になってないのは演技の凄さなのか。
傑作で恐ろしい作品と思ったのは『忍者狩り』、忍者から書状を守る武士たちの緊迫したサスペンス描写、空間の美しさと間、そのどれもが素晴らしい。
→『砂の女』は今まで見た邦画の中でも10位に入るぐらい衝撃を受けた。『収容病棟』は感想をいつか。『TOKYO TRIBE』はホントウにキツカッタ。
読んだ本
★『視覚文化超講義』石岡良治著、フィルムアート社、2014
★『100の地点でわかる地政学』オリヴィエ ダヴィド (著), パスカル ゴーション (編集), ジャン=マルク ユイスー (編集), 斎藤 かぐみ (翻訳) 白水社文庫クセジュ、2011、
・『歌集シネマルナティック』久野はすみ著、砂子屋書房
★『小川プロダクション『三里塚の夏』を観る――映画から読み解く成田闘争 (DVDブック) 』鈴木一誌、平嶋 彰彦、大津 幸四郎、山根 貞男、太田出版、2012
・『書物の灰燼に抗して』四方田犬彦(著)、工作舎、2011
・『まっぷたつの子爵』イタロ・カルヴィーノ(著)河島 英昭(訳)、昌文社、1997
・『ハラールマーケット最前線』佐々木 良昭(著)、実業之日本社、2014
★『カッサンドラ』クリスタ・ヴォルフ(著)、河出書房新社世界文学全集所収、2009
★『時代劇ベスト100』春日太一(著)、光文社新書、2014
・『終物語(中)』西尾維新(著)、講談社
★『終物語(下)』西尾維新(著)、講談社
★『続・終物語』西尾維新(著)、講談社
・『思考の取引――書物と書店と』ジャン=リュック・ナンシー(著)西宮 かおり(訳)、岩波書店、2014
・『殿堂入りレシピも大公開! クックパッドの大人気おかず108』 (扶桑社ムック) クックパッド株式会社、2014
・『かんたん犬マユゲ』石塚2祐子(著)、集英社、2014
・『ブラッサイ やさしいパリ』パトリック・モディアノ(著)リブロポート
・『デュラララ!!SH』成田 良悟(著)電撃文庫、2014
・『デュラララ!! 外伝!?』成田良悟(著)電撃文庫、2014
★『無業社会 働くことができない若者たちの未来』工藤 啓、西田亮介(著)朝日新書、2014
・『デュラララ!!SH×2』成田 良悟(著)電撃文庫、2014
→物語に飢えているので、西尾維新の作品を終わりまで読む。見事な終らせ方。そして本編のエピローグにあたる『続・終物語』もその描き方があったか!!と唸る。
ああ、寂しい。
しかし寂しい寂しいと過去の物語に捉われていると新しい物語を読めなくなると感じたのが『デュラララ』新シリーズ、キャラクターへの愛着が強すぎるファンはそのキャラクターを相対化しようとする動きがあると怒る。
俺らの時代が一番凄い、私が一番好きな時代こそ至高である病というのはどの分野にも言える。
でも、終わるということは新しいことの始まりという当たり前のことに関して、それを観測しなければいけない人の寂しさはわかる、胸にくるから。
この辺をうまく描いているのがカルヴィーノ文学。今月読んだ『まっぷたつの子爵』もそうだし、『不在の騎士』なんかは直球でそういうテーマ。一つの時代が終わることを鮮やかに描いている。生涯ベスト級の作品なので興味あったら是非。
そうした時代へのノスタルジアという強い強いテーマを視覚文化の観点で述べた『視覚文化超講義』、比較文学の観点から述べた四方田犬彦の『書物の灰燼に抗して』両方とも発見がたくさんあったがまだ咀嚼できてないので、何度も読みたい。しかし、そんなゆったりとした時間があるのかと『無業社会』を読んで怖くなった。
自分が今どういう時代を生きているのか考えるうえで必読、すべての人に関係のある話。
・出来事として
今月はかなりお金を使った感じ(通帳を見ながら)
とうとう次の仕事がないまま誕生日を迎えてしまったけれど、たぶん月別では一番記事を更新した気がする。
というよりも文体の乱れとか気にしないでいいやとなったのは大きい。
一番のきっかけは東京堂書店の高山宏と石岡良治の講演会、ちゃんと書けば多くの人に見てもらえるというモチベーションになった。
固く言いたいときもあるし、柔らかく言いたいときもあるし徐々に統合していこうという感じ。雑誌の寄稿もできたし、書きたいことも溢れているので今月はもうちっと更新を増やします.
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