トレーダー分岐点

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2014年7月のまとめ(本・映画)

      2015/11/08

 見た映画

・「血は乾いている」(at新文芸坐)
・「ろくでなし」(at新文芸坐)
・「秋津温泉」(DVD)
・「煉獄エロイカ」(DVD)
★「告白的女優論」(at新文芸坐)
・「エロス+虐殺」(at新文芸坐)
・「乾いた湖」(at新文芸坐)
★「乾いた花」(at新文芸坐)
★「her」(新宿ピカデリー)
★「GF*BF」(シネマート新宿)
・「オール・ユー・ニード・イズ・キル」(イクスピアリ)
・「アシク・ケリブ」(ユーロスペース)
・「スラム砦の伝説」(ユーロスペース)
★「火の馬」(ユーロスペース)
・「ざくろの色」(ユーロスペース)
・「今宵かぎりは」(オーディトリウム渋谷)
・「ラ・パロマ」(オーディトリウム渋谷)
・「カンヌ映画通り」(オーディトリウム渋谷)
★「ヘカテ」(オーディトリウム渋谷)
・「アンタッチャブル」(DVD)
・「メイド・イン・USA」(DVD)
・「みずうみの女」(DVD)

 

・自動車学校に通い始めて権力の上下関係を久しぶりに体感した7月、仮免許の学科試験に普通に落ちて、普通に落ち込む。その合間に映画館で松竹ヌーヴェルヴァーグと呼ばれる潮流の作品をいくつか見たため心の荒み度も激しくエアコンも壊れ、うだるような暑さの中、外からは夏休みピアノ学校の音色が室内を満たし課題の大江健三郎の書評を書いていたため記憶に残る2014年の夏となりそうだ。★はオススメの映画、6月見た映画が頭使わない系だったため、パラジャーノフとダニエル・シュミットの映画を見て頭をパンクさせることが出来たのは良かった。新文芸坐の「松竹ヌーヴェルヴァーグ」特集の中で白眉だったのは篠田正浩監督「乾いた花」、美しい所作で博打をする謎の女とヤクザとの遭遇、とにかく闇が美しく品のある映画だった(tsutayaでもレンタルしているので是非とも)、この時代の閉塞感と虚無感は凄まじいものがある。成功しても虚無、それから逃れる刺激を求めても虚無という感覚は若干の差異はあるにせよ、今なお重要な問いとなっていると思う。「her」については精神にダメージをもらったので今書いてるところ(まとまりませぬw)

 

 読んだ本

・『本の雑誌8月号』
・ショーペンハウエル『読書について』
・『21世紀偉人伝スティーブ・ジョブズ』
・大西巨人『迷宮』
★イタロ・カルヴィーノ『不在の騎士』
・リルケ『マルテの手記』
★高橋洋『映画の魔』
・臼杵陽『9.11後のイスラーム政治』
・夏石番矢編『ちびまる子ちゃんの俳句教室』
★斉藤守彦『映画宣伝ミラクルワールド』

 ・原稿を書くための読書が多く「快楽」という面では最近駄目駄目ながらも、再読したカルヴィーノ『不在の騎士』にやっぱり涙する。一人の人物が時代に巻き込まれる、一人の人物があるシステムに絡め取られていく、そういった私が好きな物語構造の中でも一つの時代(構造)が終わる、というのはたまらなく素晴らしい。どの本も集中して読んだのでいずれここで取り上げることにして、『映画宣伝ミラクルワールド』はたまらなく面白かった。映画史という大文字の歴史に残ることはないが、ある世代が熱っぽく語る、共通体験としてのスペクタクル映画が機能していた時代の証言はホラなんじゃないかと思うほど凄まじいものがあった。

 - まとめ

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