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今しまじろう映画が熱い『しまじろうとえほんのくに』のおすすめ感想

   

以前、子供にオススメの映画DVDランキングという記事を書くため、狂ったように子供向け劇場映画を見ていた時期があります。そのなかでも、特に毎回しまじろう作品のレベルの高さには驚愕していました。

「泣いている子供がいても優しくしてね!」と画面の向こうからしまじろうたちが語り掛けてきたり、子どもを飽きさせないため、ダンスをしてくれたりと、初めて映画館で映画を見る子どもに向けてとても優しい作りなのです。

新作『しまじろうとえほんのくに』は、それに加え、絵本を舞台にした世界観が見ていてわくわく、少しだけひねったテーマは大人も楽しませてくれる素晴らしい出来映えでした。

『しまじろうとえほんのくに』のあらすじ

しまじろうが、いまよりもっと小さかったとき、しまじろうのおうちには一冊の絵本がありました。

それは不思議な絵本で、ページを開くと中にいる登場人物の王様と王女様が話しかけてきてくれるのです。

ただ、ひとつだけ問題が。

この二人はいつも争ってばかり。つられて家来たちも争ってばかり。

それを見ていたしまじろうは、「喧嘩は駄目だよ」と泣いてしまいます。王様と女王様は反省し、お詫びに魔法の絵の具で好きなように落書きしていいと言いました。それで、しまじろうは「プニたん」というキャラクターを描き、こうつぶやきます。「もしまた二人が喧嘩したら教えてね」と。

季節は流れ、徐々にしまじろうは絵本を開くことも少なくなりました。

悲しむ王女様、そして絵本は次の子供のところへ行くために、しまじろうの家から飛び立ちます。けれど、王様はしばらく子供たちに会うのはやめないかと王女様に言います。王様なりの優しさのつもりだったのですが、それを聞いて王女様は怒ってしまいました。

そのとき、絵本の神様が現れて「いつも喧嘩ばかりしおって」と物語を閉ざしてしまったから、さあ大変。絵本の国のピンチを救うため、しまじろうに助けを求めたのは、あのプニたんでした……。

しまじろう映画の魅力①子供を飽きさせない。

「途中で六分の休憩があるよー」

「大きな声出してもいいんだよー」

「泣いても優しくしてね。」

と映画のキャラクターが優しく語りかけてくれます。そのため映画館の中はつねに音がいっぱいの自然な爆音上映。ということで、子供を映画館に連れていくのは、ほかの人の迷惑になるから止めておこうと思っているご両親の強い味方なのです。

予告編でも初めての映画館体験に是非と「ファーストシネマ」を明確に打ち出しています。

しまじろう映画はとことん騒いでよいので、子供が最初に見る映画としてとにかくおすすめです。

 しまじろう映画の魅力②デザインが素晴らしい

「しまじろうのわお!」は昔のしまじろうのアニメと違って、より話も絵も洗練されてきている印象を受けます(グッズも)

特に今回は「ペラペラのまち」「おかしのくに」「もりのくに」など場面が変わるたびに、それぞれの特徴にあわせ絵柄も変化するのが非常に面白いです。

あとは、とりっぴーが子供のころ落書きをしたことで、なかのキャラクターの性格も変わってしまったなどの遊び要素も楽しい。

しまじろう映画の魅力③ひとひねりあるテーマ

喧嘩ばかりしている子供たちをお前らに見せるわけにはいかん。と神様は一見正しいことを言いますが、あとでしまじろうたちに論破されます。

みみりん「喧嘩によってもっと仲良くなってしまうことだってあるのよ、喧嘩はそんなにいけないことなの?」と。

実際に絵本の国を旅するうちに、しまじろうととりっぴーも喧嘩してしまいました。でも、最後にはその喧嘩によって、より二人の仲は深まり、絵本の国を救うべく大奮闘するのです。喧嘩しているからこそ、次がある。より仲良くなることもある。

絶対的権力者である絵本の神様に向かってしまじろうたちが、戦いを挑んでいく場面は、主題歌と合わせて最高に熱い展開でした。

子供向けでありながら、だれが見ても楽しめる。そういうファーストシネマの映画としては今まで、アンパンマンやドラえもんなどがありましたが、その系譜にこれから徐々にしまじろうが来ると思われます。

しまじろうシリーズ、要チェックです!

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