画力がレベル1でも関係ねえ!!『売れる!楽しい!「手書きPOP」のつくり方』に感激
2016/05/28
POPがこんなに楽しいなんて!!と読んでいるだけで楽しく、実際に「作ってみる」という行為にまで人を動かす凄い本だった。
POP大国日本
近頃お店はPOPだらけだ。POPのほうが商品よりも多い状況もあるなど情報に情報を重ねて混乱させている売り場も多発している。
良いPOPとは何か?
増沢美沙緒さんの『売れる!楽しい!「手書きPOP」のつくり方』は単に綺麗なPOPを紹介するのではなく、スーパーや旅館などで実際に売上が上がったPOPを例に、商品を手に取らせたりサービスに申し込ませたりと人を行動に移すためのポップはどういうものなのかを面白く、そしてわかりやすくまとめている点が画期的だった。
説明で損しているPOPたちよ!
多くのPOPは説明で損している!
と著者はこのように述べる。「ふーん」と思ってペラッとページをめくって驚く。自分がPOPを書いたらおそらく著者が言うその残念なPOPそのものになっているだろう。
・「○○食品および商品名」
・「説明」
・「値段」
これが残念な例。
これでは駄目だと著者は述べる。その商品をとってみようと思わせるにはまずターゲット層を絞り、商品の疑問に答えたり、その商品を買うとその後どういうことがあるのか述べたり、または商品の使い時を提案したりとユーザー視点でPOPを書くのが必要であると。
一見当たり前のようだが多くのPOPにそのユーザー視点が欠けているという。
そのユーザー視点の例が面白い。たとえばスーパーの果物売り場でレモンでグラスを磨くとピカピカになる!と書いて売れたPOP、とあるスーパーではモーカ鮫が大量に廃棄されていたが、レシピと共にどのような調理ができるかのPOPを置いたところ人気商品になった話など。
レモンは調理の際に少しだけ残してしまうから、他の面白い使い方を提案することでその障壁をなくしたり、モーカ鮫も美味しいと聞けば作ってみようかと同じくカゴに入れるきっかけとなる。
「良いPOPの例」
・結論(キャッチコピー&具体例)
・説明(箇条書きなど)
・値段および商品名
順序をこのように入れ替えるだけでPOPは面白いほど映える。
「消臭ヘアスプレー」と商品名を第一文にもってくるより
「助けて!!!」
と、書いたほうが見ている側は「なんだ、なんだ」と思い、それに泣いているイラストが添えてあれば、その商品に立ち止まるだろう。そして説明文が見ている側のニーズと合致すれば購入に至る。それがユーザーの側に立ってPOPを書くということだ。
絵が下手でも関係ない!
そうは言っても絵が重要なんでは?
そもそもイラストが書けない。という人もいるだろう。
ハッキリ言う!自分もそうだ。
動物を書けば縄文人のように足が同一線上に並ぶ生き物らしきものが生まれるぐらい。
けれど
- 「幅広い用途が嬉しい!子ども編」
- 「イラストが五割増しになるマル秘テクニック」
- 「60秒で描けるのにかわいい!赤ちゃん編」
- 「髪型一つで雰囲気自在!お父さん編」
とページを進むうちに「あれ、俺でもいけるかもしれない」という気分にさせてくれるのが凄い。
まるでPOPにふらふらと誘われるように、本を読みながら喫茶店の紙で書いてみたのがこちら。
いけるじゃないか
ためしに作った画像をLINEで人に送って、自分が作ったと言っても信じてもらえなかった。
いけるじゃないか
基本のパーツ作りを恐ろしいほど丁寧に書いているのでやってみようという気になる。この基本にたとえばマスキングテープを貼って枠を作ったり、覗き見風にしたりと応用編も盛りだくさん。
他にも筆ペンを使う際最初の押すところだけを太くすればそれらしい文字になる(笑)や、空間を広くとって文字を等間隔にすれば見る側は文章を認識しやすくなるなど文字指南も勉強になることばかりだった。
POPは様々なことに応用できる便利物
文章とイラストが書けたということは……!!
POPは他にも応用できるということだ。
ホワイトボード、封筒、葉書、市役所のパンフレットなどイラストに関しても幅広く応用できるほか、
「スタッフもこっそり食べてます」「ランキング形式」「季節感の演出」などのターゲット層を絞ったPOPの演出は見る人をどう次の行動に移すかといったアフィリエイトブログや企業のプレゼンテーションなどにも応用できることばかりだ。
なによりなにかを発信したいと考えている人に、絵心ゼロでも恥ずかしがらない自信やまずはやってみようという最初の一歩を踏み出す大きな勇気を与えてくれる本だ。
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